たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編

ネタバレ全開ですので、閲覧ご注意ください。

総括

北宇治高校が全国大会出場し銅賞を受賞した翌年度。新一年生を迎え入れる4月から、夏休み前のオーディション結果発表までの約二ヶ月半を吹部部員達の群像劇を描く、待望のユーフォの続編小説。

今までユーフォはアニメオンリーでしたが、さすがに今回は誘惑に負けて小説を買いました。

で、感想を一言でいうと、これぞユーフォというキャラの描き方に大満足。

ユーフォの魅力は、キャラの感情、振る舞いの細やかな表現と、そのキャラ達の掛け合いが発生する事で生まれるドラマだと思っています。その魅力はキャラが入れ替わった第二楽章でも全く変わらぬ楽しさを醸し出していた。

武田綾乃先生にありがとう!です。

一回り大きくなった久美子

今回の久美子の総括は、目立たないけど周囲に気配りできる良い先輩。

思えば、一年前の久美子は他人に引っ張られ強く自己主張する事もあまりなく、中学時代から苦手だった麗奈に話しかける事もやっと、というある意味内向きなキャラでした。

単純に全国大会出場し成長した、と書くのは省略が乱暴すぎると思います。

麗奈と親友になり吹部全体という空気に負けずに麗奈を応援した事、先輩を差し置いてオーディションに合格してしまったのに優しく応援してくれた夏紀の優しくてカッコいい所、苦手だったあすかの攻撃を受けながらもあすかの心の扉を開き心通わせた事。そうした全ての経験が、深く関わった愛しい人たちの美点が、久美子の肥やしとなり吸収されて、久美子の考え方、言動、行動に影響を与えてきた。そうした事で他人に対して優しく強くなれた、のだと感じました。

仮に第二楽章から読んだ読者がいたとして、久美子のふわふわしているようで時に鋭いプロファイリングをする腕利きの名探偵、みたいなキャラ設定が当然だと思われたら、それは少し勿体無い、と思ってしまう。

とはいえ、麗奈やあすかのように演奏の事で自慢をひけらかすような事もなく、彼氏である秀一の前ではウブな乙女だったり、根本的な所は変化していなくて、あくまで久美子。

2015年4月から見続けたキャラなので、もう愛着が湧いてしまって、少しづつ大人になってゆく久美子を見て、なんというか自分の事のように嬉しく感じます。

今回のテーマ

今回のテーマは、次の究極の選択。ズバリどちらが偉いのか?

  • (a) 演奏は下手だけど、頑張っている人
  • (b) 演奏は上手いけど、あまり頑張っていない人

これは、社会人になっても言える事。残業せずに結果を残すヤツか?残業しても結果が出ないヤツか?みたいな。

吹奏楽部でオーディションに合格するという意味では、練習量関係なく演奏が上手い人が採用される。これは納得。

でも、その時の周囲の部員の感情はどうかというと、(a)(b)のどちらが同情されるかというと、やっぱ(a)の人が採用されて欲しい、という感情を抱くのではないか?その時に(b)の人の気持ちはどうなのか?これが、今回のテーマ。

1年前に香織と麗奈が競った頃から普遍のテーマ。

新一年生チューバのさつきと美玲

チューバのさつきは完全な(a)、美玲は(b)として描かれ美玲が孤立する。しかし久美子の助言により美玲がプライドを捨てる事で、内心憧れていた和気あいあいとした雰囲気に溶け込むことができた。要するに人付き合いする上で(b)から演奏は上手いけど、頑張っている人にシフトし、彼女の孤立は回避された。

これにより、美玲・奏の(b)同盟が崩れ、奏だけが(b)として残さる形に。

その意味で、さつきと美玲はこのテーマに対する(a)肯定のためのキャラだと思いました。

でも、せっかく北宇治吹部の低音パートという濃ゆいチームに来たのだから、さつきと美玲には、もっと感情移入できる何か欲しいな、とも思いました。

新一年生コンバスの求

自分をコンバスの高みに導いてくれる緑輝を崇拝する美少年キャラの求。しかし、緑輝以外のキャラには無関心でぶっきら棒。

彼は演奏が上手く、頑張るタイプとして描かれますが、他人の不合格を気にしてオーディションの合格を躊躇する一面を想像させる描写があり、オーディションという競争自体にハングリーに立ち向かう姿勢では無い事をうかがわせました。

しかし、要らない楽器なんて一つも無いという緑輝の説教により、直ちにオーディションに全力を尽くす事を誓い改心。

彼がオーディションという競争を見送る事を一瞬思った背景は、まだ分かりません。

求には姉が居るとか、小中高一貫教育の男子校から転入して来たとか、その龍聖学園に吹奏楽部の顧問に源ちゃん先生が来たとか、後編への含みを残した伏線設定が至る所にあり、彼の活躍の場は間違いなく後編だと思います。

その続編を読んでみて、その答えを見つけられるでしょうか?

新一年生ユーフォの奏

今も昔も、若者は器用で要領がよくて外面が良くて何を考えて居るか分からない、という自分より若年者に対する思いというものはあるもので。奏はそんなキャラに思えました。

読んでいて連想したキャラは、ムーミンのリトル・ミー。小さくて可愛いけど皮肉屋さんで時折正論で暴言を吐く。でも、読み進めていくうちにそれも違うな、と感じました。

奏は、他人にはいい顔したい、悪く見られたく無い、と無意識に強く思っており、心許さない人とは丁寧語で会話するとか、必要以上のクオリティーで愛想笑いできるとか、彼女のこれまでの人生の中で染み付いてしまった曲者キャラとして登場。

でも、それも時折、圧力をかけられると、素の彼女が現れる事が有り、完璧に演技しきれていないところが憎めない。

当初、久美子をビビらせた風雲児も、この綻びから久美子の攻撃にあい、改心させられる所は痛快。

奏の場合、(b)の私がオーディションに合格すると、周囲から白い目で見られる、という思いが今回のトラブルを産んだ。

ユーフォの中では、オーディションは全力でぶつかり合い悔いを残さない事が正解とされて居る。そのスタンスに一石を投じる奏の行動。

これに対し手抜き演奏を見抜いた夏紀が奏を捕まえ弾糾した。何故、手抜きするのか?夏紀は自分が同情されたと思っていたに違いない。対する奏の回答が辛辣すぎた。意訳すると夏紀への同情はなく、自分への風当たりを気にした、という回答だったからだ。

夏紀のような任侠の時代の三年生組からの頭からは絶対に出てこないような斬新な回答が出て来た上に、自分が同情された訳でも無い事にバツの悪さを感じて、何も言えなくなったのだと思った。

今回、久美子は奏に対し、そんな事しても二人とも落ちるかも知れないし意味はない、と諭して改心させた。

これで前編は綺麗に終わるのだけど、本質的に奏の本性は何も変わっていない。奏は自分本位で有り、他人を気遣う事はできない。表面的な体裁を気にする性質は変わっていないと思う。

本当は、それをできるのは夏紀の他人を思う優しさで有り、奏が他人からの優しさで救われない限り、似たような事は続く可能性はある。

後編で夏紀の良さに触れる奏が見たい、と強く思う。久美子が苦手だったあすかを好きになったように。

後編でも奏にひと暴れして欲しい気持ちはあるが、どうだろうか?

「リズと青い鳥」

「リズと青い鳥」の話は誰と誰の話なのか?

  • (1)森に美しい鳴き声の青い鳥が居り、リズはその鳴き声に聞き惚れて居た。
  • (2)台風の後、森が荒れはて、そこに少女が居た。
  • (3)リズは少女を連れて帰り一緒に暮らした。リズも少女もとても楽しく幸せだった。
  • (4)ある日、リズは少女の正体が青い鳥である事に気付いた。
  • (5)リズは、少女を森の仲間の元に返すか?一緒に暮らし続けるか?どちらが幸せか悩んだ。
  • (6)リズは、少女を森に返す決断をし、青い鳥と別れた。

久美子はみぞれと希美を連想した。麗奈は久美子との関係を連想した。楽章は下記。

  • 第一楽章「ありふれた日々」
  • 第二楽章「新しい家族」 →短いトランペットソロ有り。
  • 第三楽章「愛ゆえの決断」→大半がオーボエソロ、オーボエとフルートの掛け合い有り。大会ではバッサリカット。
  • 第四楽章「遠き空へ」

久美子と麗奈の場合

リズは久美子で、青い鳥が麗奈と考えた場合。

  • (1)美しい森、青い鳥は、プロ奏者の事。
  • (3)リズと一緒に暮らして居るのは北宇治高校吹奏楽部。
  • (6)は音楽のプロの現場に飛び立つ麗奈。

でも、(4)(5)の気付き、悩みは久美子にはないだろう。でも、第二楽章のトランペットソロは、昨年度のあがた祭りの日の大吉山の二人の気持ちを重ねてくるかもしれない。

みぞれと希美の場合

まず、読んで思ったのは、みぞれは3年生になっても、希美離れが出来て居なかったという設定に、少なからず驚いた。

というのも、昨年度の全国大会出場を機に、希美の関心は吹奏楽以外の事にもどんどん分散していったと思っていて、その経過から考えると、みぞれとの付き合い時間は極端に減少し、その事に対するみぞれの覚悟がその後の半年であったのではないか、と自分勝手に妄想していたから。

しかし、小説のプロローグから、みぞれの希美依存症がガチで描かれ、希美が目の前から消えるとショックで死んでしまうような雰囲気で書かれている。

となると、みぞれの希美からの独り立ちは、第二楽章後編に持ち越される事になる。それを踏まえて物語に当てはめてみる。

リズはみぞれで、青い鳥が希美と考えた場合。

  • (1)森は希美の数多くの友達達
  • (3)二人で楽しく過ごして居るのは、南中吹部と北宇治吹部
  • (4)希美の多くの友人達が居る事を何かで再認識
  • (5)希美自身の幸せは多くの友達と過ごす事か?私だけが占有して過ごす事か?悩む
  • (6)最終的に、希美から離れ、希美を解放する

これは、普通に綺麗にハマる。ただし、みぞれの高度な演奏技術が、みぞれを青い鳥と比喩になっている可能性もあると思う。

リズが希美で、青い鳥がみぞれと考えた場合。

  • (1)美しい森、青い鳥は、プロ奏者の事
  • (2)二人で楽しく過ごして居るのは、南中吹部と北宇治吹部
  • (4)新山先生の推薦でみぞれの奏者としての高みに気付く希美
  • (5)自分ぞっこんの状況が良いのか?自分から突き放し奏者としての高みを目指させる事が良いのか?悩む希美
  • (6)最終的にみぞれにプロの道をすすめ、自ら退く希美。

これもハマる。こうなってくると、これらが複合的に比喩されている可能性もあると思う。

でもまぁ、こうした作品内に巻いた伏線を遥かに超えた展開を用意してくるかも知れない。その意味で、やっぱり後編が楽しみ。

ところで、プロローグで希美がみぞれをあがた祭りに誘い、他にも友達連れてきなよ的な展開で、優子と夏紀も一緒に行くことになっていた。

あがた祭りのシーンは久美子と秀一と麗奈のシーンはあったが、みぞれ達のシーンは無い。多分、後編では前後して描かれるのだと思う。

優子部長はみぞれのメンタル的なコンディションも気にする必要があるし、ダチとしてみぞれが悲しむ事は我慢できない性格だと思う。しかし、現状のみぞれと希美の関係がメンタル的に良好だとも言い切れないリスクを抱えていると思う。かといって、みぞれは希美最優先であり優子の事は何とも思って居ないので、優子がみぞれに文句を言っても普通に改善されるとも思えない。

この様な状況の中でも、みぞれに何かあれば、一発触発で優子が飛び出してくる可能性はあると思う。みぞれの希美依存症が熱病である事をどうしたら、みぞれに分からせる事が出来るのか?多分、それは、優子が希美に「リズは希美」である事を理解させる事じゃ無いか?とか妄想している。

前編では、そつなく部長業をこなす優子で有り、それだけでも凄い事なのだが、後編では、優子のそういう熱いところを読んで見たい、と思う。

加部友恵の活躍

そして、忘れてならないのが加部友恵。

今回、非常に重要な役割を演じており、彼女の健気さに目頭が熱くなる。新三年生はなぜこうも任侠なのだろうか?

アニメでは優子と一緒に行動しているだけのミーハーなモブキャラだった彼女も、チームもなかとして苦くも貴重な時間を過ごし、新人の面倒を見る役を受け吹部に貢献したり、優子部長と夏紀副部長を補佐したり。物凄くいい人キャラとしてパワーアップしての登場に喜ばずに居られない。

久美子が新入部員の面倒を見るのは物語上の必須だったと思うが、友恵の様なキャラがおらず、久美子だけが面倒を見る形だと負担が大きすぎる。友恵に久美子をプラスすれば、新入部員の未経験者層、経験者層の両方の指導を満たせるというのは優子部長の絶妙な采配と考えられるし、その辺りの取り回しが自然で上手い。

友恵の件は、夏紀がいかに良い人かをアピールするのにも効果を出している。友恵の次に悔しいのが、多分、同じチームもなかを過ごした夏紀だろう。

友恵の悔しさは、相当のものだったと思うが、本来、ユーフォではその悔しさを誰にも言わずに飲み込む事を良しとしない。誰かと共有しその悔しさを成仏させなければ、次に行けない。友恵は久美子にも、夏紀にもその涙を見せては居ないが、多分、優子部長の前では泣いている、と妄想している。

いずれにせよ、この、見事にハマっている感じが心地良い。

最後に

新一年生のトランペットの夢。新一年生のオーボエの梨々香。まだ、後編で活躍しそうなキャラも控えており、北宇治全国大会金賞を目指す彼女達にどのようなドラマがあるのか?まだまだ楽しみが半分残っていると思うと、嬉しくなる。

後編楽しみにしています!

ー以上ー

プリンセス・プリンシパル 10話「case22 Comfort Comrade」

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感想

二重スパイの末路

二重スパイという罠にハマり踏み外してしまった委員長。

結局、二重スパイは普通の幸せな人生を送る事は叶わない。追い詰められて拘束されるか?死ぬしか無いというスパイの非常な面を改めて再認識させる意味で、このタイミングで委員長の話があったのかな、と思う。

委員長を見逃したアンジェ

「委員長は普通」というのは悪い意味じゃ無い、というアンジェの言葉は重い。

憧れや楽しい思い出、大いに結構。その言葉の奥にはプリンセスの非情な人生なんかを重ねての言葉だと思う。

委員長から、甘くなったと言われたアンジェ。

あのシーンで本気で撃ってたら撃てたはず。何故、委員長に隙を与え逃したのか?考えていた。

いくらアンジェでも二重スパイをわざと逃す様な事はしないと思う。

ストーリー展開から考えると、あのタイミングで逃げられた事によって、電車の中でドロシーと委員長が二人きりで会話する機会を得た。 逃げられたタイミングでは、まだドロシーに委員長は告白していなかったので、最後の告白のチャンスを与えた事になる。 もしかしたら、この告白の機会を与える事が、アンジェの委員長に対する優しさでありクリスマスプレゼントであった可能性はないだろうか?

もちろん、その後の追跡劇でドロシーと委員長が二人きりで会話する機会が訪れる可能性は保証は無かったと思う。これは、ストーリー面から考えた単なる妄想かも知れない。

もしくは、もしかしたら、その答えは11話、12話に隠されているのかも知れない。

いずれにせよ、アンジェが委員長を見逃した本当の理由は分からない。でも、逆にそれが謎の余韻を残し、味わい深いモノになっていると感じる。

ドロシーと委員長の涙

委員長はアンジェ達と飲み会をした。 しかも、委員長とドロシーは、酒場で18回目から21回目の乾杯は二人でサシで飲んでいる。 そして、最後列車の中で、ドロシーが憧れの人だったと告白できた。 委員長にとっては、これがクリスマスプレゼントだったのかも知れない。

委員長はクリスマスは憧れの人を思い出すから嫌いと言った。 後にも先にもこの時だけだったのだろう、ドロシーと子供らしく移動遊園地で遊んだクリスマスの楽しい思い出なのに、何故、思い出すのが嫌なのか?

憧れの人の様に振る舞えない、変われない自分に嫌気がさすからなのか?

汚れてしまった自分を思うと、憧れの人とに合わせる顔がなくて、やりきれなくて嫌なのか?

いずれにせよ、二重スパイという人生に疲れた果ての夢のひとときと、永遠の別れが、クリスマスというのがとても切ない。

真面目な堅物、ドロシーにとって委員長は養成所以来の戦友以外の何者でも無かっただろう。

そんな委員長から唯一憧れられたドロシー。この状況でその告白を受け、委員長が普通の子供の表情を見せたあの時だけが、楽しい思い出だった事を察したのかも知れない。

最後の委員長の涙は、永遠の別れの直前に友達と言ってもらえた喜び。

ドロシーの涙は、憧れだったと告白してくれた友人が、目の前で追い込まれて死んでしまう事の非情さへの悲しみ。

そんな風に感じた。

コントロールの新しいボスのジェネラル

いきなりプリンセスの暗殺を命令する新しいボスのジェネラル。

ジェネラルは、陸軍の大将。あだ名なので現役の大将とは限らないが、いずれにせよ勲章をたくさんつけた軍人には変わりない。

第一次世界大戦オーストリア皇太子夫妻の暗殺が引き金になった。プリンセスの暗殺は、これを連想させる。もしかしたら、ジェネラルは世界大戦仕掛けたい強硬派なのか?などと妄想。

2話(case11)で大尉は世界大戦勃発しかねない自体を収集するためにプリンセスを二重スパイのリスクを承知で引き込ませた。その大尉のスタンスとも明らかに異なる上層部の存在。

嫌な時代の転換期を感じさせるクライマックスを想像させる。

プリンセス暗殺指令の背景

プリンセスが暗殺司令の理由はまだわからない。

可能性の一つとしては、プリンセスが共和国側からみて害ある存在と判断された、というケース。

今回のcase22のエピソードを活かすならプリンセス二重スパイ疑惑で話を進める事もできるかも知れない。 ただ、二重スパイか否か確認する、という段階を飛び越えて、プリンセス暗殺という指令という事は、プリンセスの二重スパイの確たる証拠でも掴んでいるのか?

7話で学生寮の食堂でアンジェとプリンセスの二人で会話していたシーンで、プリンセスに協力者ができた事を匂わせる会話をしていた。その協力者が共和国にとって害ある人間でそれを協力するプリンセスが標的にされた可能性もあるかも知れない。

4話でロシアに政略結婚させられる可能性が示唆された。共和国側としては、王国がロシアと同盟を結ぶ事で王国側の脅威が増す事を嫌って、それを阻止する可能性もあるかも知れない。

もう一つの可能性としては、プリンセスの暗殺をきっかけに事件を起こそうとしている、というケース。

具体的には、先にも触れた、世界大戦勃発のトリガーに利用する可能性。

いずれにせよ、現時点では妄想の域を出ない。

絶対絶命のアンジェとプリンセス

3話の「いいわ、騙してあげる。あなたも、世界も、そして私自身すらも」の発言がどう回収されるのか?

アンジェはプリンセスを守るのは基本。

しかし、二重スパイが容赦無く自殺に追い込まれた様にコントロールへの裏切りは死に直結する。 プリンセスを暗殺しなければ、自分がコントロールから追われる身になる。

プリンセスは3話(case2)の時点で王女をリタイアしない意向を表明し、アンジェはそれを受け入れた。 カサブランカの白い家に逃避する事は出来ない。

しかし、一方でプリンセスは血反吐を吐く思いで爪先立ちで王女を演じ続けてきており、それが幸せなのかもわかならい。

この先、どんな展開があるのか全くわからず展開が読めない。先が気になる。

最近、ストーリーはシンプルでキャラ重視の作品が多かったと思う。例えばガルパンラブライブやユーフォの様な大会で優勝するとか上を目指すという目標に対してそれを達成してゆくカタルシスと、その過程でのキャラに深く感情移入させる作り込み方。

でも、本作はストーリーものとしての面白さを堪能させてくれる作品。もちろんキャラの彫り込みも異常なまでに丁寧かつ深く感情移入させる。話数ランダムの効果も大きい。そういう意味では珍しい作品なのかも知れない。

Twitterのつぶやき

プリンセス・プリンシパル 9話「case11 Pell-mell Duel」

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感想

真っ直ぐで素直なちせ

ちせは、強くて幼い。素直で真っ直ぐなところが良い。

遠い異国の地で早朝に姉上に手紙を書く。アルビオン王国の食事は合わないのでおにぎり、納豆、ぬか漬けなども用意する。京から取り寄せたきんつばを美味しく食べる。普通に女の子っぽい面。

リリに直接的に苦言を言う。日本を見下し小さな命を粗末にするキャメロンを怒り、決闘を申し込む。卑怯な事は嫌いで、正義感の強い面。

何かあると直ぐに手合わせ願うと言う、基本的に勝負が好きな面。

ちせが父親から侍として育てられたのは、男の兄弟がおらず、ちせを男の子として育てらからでは無いかと想像する。話し言葉も男の子(と言うか侍)の言葉。こうした男の子っぽさもちせらしい。

そして何より剣術に優れ強くてカッコいい。

そう言う所全てが良い。

「明鏡止水」

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ちせの部屋の掛け軸は「明鏡止水」 穏やかで平静な心境との事だが、 ちせは時折、自制ができず暴走してしまうので、そうした反省も込めてこの言葉を掲げているのだと思う。

そして、この言葉は「疑心暗鬼」の反語でもある。おおよそスパイには向かない人間だな、と思いつつ、ちせの人柄が滲み出る演出だと思う。

アンジェとの距離と位置関係

アンジェとちせは互いに優れた技を持つ猛者だが、陽性のちせと陰性のアンジェは方向性が正反対である。

もちろん、スパイとしてはアンジェの方が適任である。アンジェはスパイとしてのちせをまだ信用していないのだと思う。と言うかちせの幼さゆえの暴走が任務を台無しにするリスクを考えているのだと思う。 だから、ちせを任務に投入するときは慎重。ある意味ちせの剣術の凄さを理解しているからこその配慮。

アンジェのその心配がちせの行動を制限する事になり、ちせから見たときのアンジェの距離感になっているのだと思う。チームなのに働けないという無力感。

アンジェからは目立ちすぎを注意される。決闘も介添人として見に来る事も無い。ある意味、アンジェからは認められていない存在なのかも、と言う不安を感じているちせが切ない。

「土俵入り」でお祝い

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プリンセスは決闘に勝ったにも関わらず、曇った表情のちせを見ている。なので、土俵入りはちせを元気付けるために用意してくれたお祝いイベントなのだと思う。 きっとチームのみんなで相談し日本の祝い事を調査したのだろう。その優しさが良い。

ちせはこの国で日本が同じ土俵に立つ事も許されていない事を思い知っている。この国でプリンセス達は土俵を用意してくれて、同じ土俵に立っている。儀式としては珍妙で滑稽だが、その事がちせにとっては一番嬉しかったのだと思う。

「あの者達に勝って欲しい」の意味

ちせは、王国と共和国のどちらが優勢か?プリンセスの動向を観察しながら堀河公に提言するのが任務。

話はそれるが、case11時点でチェンジリング作戦と言うのはどうする作戦なのだろう。プリンセスは既に西側のスパイとして暗躍している訳で、当初のチェンジリング作戦は達成しているのでは無いだろうか?もしかしたら、プリンセスを王女にするまでが現時点のチェンジリング作戦なのだろうか?

兎に角、ちせにはそんな対局まで分かるはずもない。決闘直後、堀河公に報告する際はその報告に詰まっていた。 それが、土俵入りの後日、堀河公に報告する際は自分の希望である「あの者達に勝って欲しい」と気持ちをしっかりと述べた。

もちろん、堀河公はそう言うレベルの感想を求めていた訳では無い。しかし、あの土俵入りでちせの中にプリンセス達のために働く意義を見つけた事はちせがこの国で働くために重要なポイントだと思う。

これから先、堀河公と日本の利益と、プリンセス達の利益が相反するケースが登場するとして、その時に私は、ちせにはプリンセス達のために戦って欲しいと妄想しているし、今回の話はその仕込みだと思う。

憎めないキャラのリリ・ギャビストン

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9話で触れないわけには行かない、リリ・ギャビストン。小さな薔薇の飾りとリボンが特徴。

いかにも意地悪そうに登場。決闘の立会人に指名され対応する。

決闘後の夕方、寮でちせを見かけた時に心配そうな表情を見せており、根は悪く無い感満載な所が良い。

今後もちょくちょく登場して、活躍して欲しいキャラである。

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プリンセス・プリンシパル 8話 「case20 Ripper Dipper」

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プリンセス・プリンシパル 5話 「case7 Bullet Blade's Ballad」

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プリンセス・プリンシパル 4話 「case9 Roaming Pigeons」

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プリンセス・プリンシパル 3話 「case2 Vice Voice」

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