たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

プリンセス・プリンシパル 10話「case22 Comfort Comrade」

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感想

二重スパイの末路

二重スパイという罠にハマり踏み外してしまった委員長。

結局、二重スパイは普通の幸せな人生を送る事は叶わない。追い詰められて拘束されるか?死ぬしか無いというスパイの非常な面を改めて再認識させる意味で、このタイミングで委員長の話があったのかな、と思う。

委員長を見逃したアンジェ

「委員長は普通」というのは悪い意味じゃ無い、というアンジェの言葉は重い。

憧れや楽しい思い出、大いに結構。その言葉の奥にはプリンセスの非情な人生なんかを重ねての言葉だと思う。

委員長から、甘くなったと言われたアンジェ。

あのシーンで本気で撃ってたら撃てたはず。何故、委員長に隙を与え逃したのか?考えていた。

いくらアンジェでも二重スパイをわざと逃す様な事はしないと思う。

ストーリー展開から考えると、あのタイミングで逃げられた事によって、電車の中でドロシーと委員長が二人きりで会話する機会を得た。 逃げられたタイミングでは、まだドロシーに委員長は告白していなかったので、最後の告白のチャンスを与えた事になる。 もしかしたら、この告白の機会を与える事が、アンジェの委員長に対する優しさでありクリスマスプレゼントであった可能性はないだろうか?

もちろん、その後の追跡劇でドロシーと委員長が二人きりで会話する機会が訪れる可能性は保証は無かったと思う。これは、ストーリー面から考えた単なる妄想かも知れない。

もしくは、もしかしたら、その答えは11話、12話に隠されているのかも知れない。

いずれにせよ、アンジェが委員長を見逃した本当の理由は分からない。でも、逆にそれが謎の余韻を残し、味わい深いモノになっていると感じる。

ドロシーと委員長の涙

委員長はアンジェ達と飲み会をした。 しかも、委員長とドロシーは、酒場で18回目から21回目の乾杯は二人でサシで飲んでいる。 そして、最後列車の中で、ドロシーが憧れの人だったと告白できた。 委員長にとっては、これがクリスマスプレゼントだったのかも知れない。

委員長はクリスマスは憧れの人を思い出すから嫌いと言った。 後にも先にもこの時だけだったのだろう、ドロシーと子供らしく移動遊園地で遊んだクリスマスの楽しい思い出なのに、何故、思い出すのが嫌なのか?

憧れの人の様に振る舞えない、変われない自分に嫌気がさすからなのか?

汚れてしまった自分を思うと、憧れの人とに合わせる顔がなくて、やりきれなくて嫌なのか?

いずれにせよ、二重スパイという人生に疲れた果ての夢のひとときと、永遠の別れが、クリスマスというのがとても切ない。

真面目な堅物、ドロシーにとって委員長は養成所以来の戦友以外の何者でも無かっただろう。

そんな委員長から唯一憧れられたドロシー。この状況でその告白を受け、委員長が普通の子供の表情を見せたあの時だけが、楽しい思い出だった事を察したのかも知れない。

最後の委員長の涙は、永遠の別れの直前に友達と言ってもらえた喜び。

ドロシーの涙は、憧れだったと告白してくれた友人が、目の前で追い込まれて死んでしまう事の非情さへの悲しみ。

そんな風に感じた。

コントロールの新しいボスのジェネラル

いきなりプリンセスの暗殺を命令する新しいボスのジェネラル。

ジェネラルは、陸軍の大将。あだ名なので現役の大将とは限らないが、いずれにせよ勲章をたくさんつけた軍人には変わりない。

第一次世界大戦オーストリア皇太子夫妻の暗殺が引き金になった。プリンセスの暗殺は、これを連想させる。もしかしたら、ジェネラルは世界大戦仕掛けたい強硬派なのか?などと妄想。

2話(case11)で大尉は世界大戦勃発しかねない自体を収集するためにプリンセスを二重スパイのリスクを承知で引き込ませた。その大尉のスタンスとも明らかに異なる上層部の存在。

嫌な時代の転換期を感じさせるクライマックスを想像させる。

プリンセス暗殺指令の背景

プリンセスが暗殺司令の理由はまだわからない。

可能性の一つとしては、プリンセスが共和国側からみて害ある存在と判断された、というケース。

今回のcase22のエピソードを活かすならプリンセス二重スパイ疑惑で話を進める事もできるかも知れない。 ただ、二重スパイか否か確認する、という段階を飛び越えて、プリンセス暗殺という指令という事は、プリンセスの二重スパイの確たる証拠でも掴んでいるのか?

7話で学生寮の食堂でアンジェとプリンセスの二人で会話していたシーンで、プリンセスに協力者ができた事を匂わせる会話をしていた。その協力者が共和国にとって害ある人間でそれを協力するプリンセスが標的にされた可能性もあるかも知れない。

4話でロシアに政略結婚させられる可能性が示唆された。共和国側としては、王国がロシアと同盟を結ぶ事で王国側の脅威が増す事を嫌って、それを阻止する可能性もあるかも知れない。

もう一つの可能性としては、プリンセスの暗殺をきっかけに事件を起こそうとしている、というケース。

具体的には、先にも触れた、世界大戦勃発のトリガーに利用する可能性。

いずれにせよ、現時点では妄想の域を出ない。

絶対絶命のアンジェとプリンセス

3話の「いいわ、騙してあげる。あなたも、世界も、そして私自身すらも」の発言がどう回収されるのか?

アンジェはプリンセスを守るのは基本。

しかし、二重スパイが容赦無く自殺に追い込まれた様にコントロールへの裏切りは死に直結する。 プリンセスを暗殺しなければ、自分がコントロールから追われる身になる。

プリンセスは3話(case2)の時点で王女をリタイアしない意向を表明し、アンジェはそれを受け入れた。 カサブランカの白い家に逃避する事は出来ない。

しかし、一方でプリンセスは血反吐を吐く思いで爪先立ちで王女を演じ続けてきており、それが幸せなのかもわかならい。

この先、どんな展開があるのか全くわからず展開が読めない。先が気になる。

最近、ストーリーはシンプルでキャラ重視の作品が多かったと思う。例えばガルパンラブライブやユーフォの様な大会で優勝するとか上を目指すという目標に対してそれを達成してゆくカタルシスと、その過程でのキャラに深く感情移入させる作り込み方。

でも、本作はストーリーものとしての面白さを堪能させてくれる作品。もちろんキャラの彫り込みも異常なまでに丁寧かつ深く感情移入させる。話数ランダムの効果も大きい。そういう意味では珍しい作品なのかも知れない。

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