たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

プリンセス・プリンシパル11話「case23 Humble Double」

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感想

まず、ネタバレ的なラジオの12話予告

「case24 Fall of the Wall」 革命軍の女王暗殺計画を知ったプリンセスは、革命を止めようとするが、 プリンセス暗殺の失敗を察したゼルダは、プリンセスに銃口を向ける。 一方アンジェは、プリンセスの真意を確認するため、飛行船を脱出するが……。

ちょっと卑怯ですが、上記も含めての感想です。

プリンセスの覚悟

「壁を無くす」ためなら何でもする。今回の見せ場は、やはりアンジェにさよならを告げ、アンジェに成りすましてコントロールをあざむき、一人で全てを背負い込んで立ち向かうプリンセスの覚悟だと思う。

ところで、クーデター計画により予期せず女王の座にリーチがかかるが、12話予告ではクーデターを阻止するということで、プリンセスがどちらを選ぶかの葛藤はあるのだろうか?

個人的には革命が作るのは憎しみの連鎖から生まれる「壁」であり、そうした自体を避けるべく阻止する、という展開と想像。

プリンセスの涙

f:id:itoutsukushi:20170921012545p:plain プリンセスの言うアンジェは、怖がりで泣き虫でいつもトラブルを起こして、プリンセスが後始末していて、そんなアンジェが嫌いだった、と言った。これは真実なのか?嘘なのか?

10年前、アンジェは古井戸で自殺するつもりでいた事が今回判明。また、4話でアンジェは昔の自分は嫌いとも言っていた。そう考えると、言葉通りアンジェがダメな子だった可能性は高い。

ただし、4話でプリンセスは昔のアンジェを好きになった、とも言っている。ネガティブ面があったとしても、アンジェの事はだ大好きったハズ。その思いが強かったので、今回のプリンセスの行動には驚いた。

結局、プリンセスは「壁を無くす」という夢の実現の阻害要因のアンジェにイラっとして、ひどい言葉を投げかけたのは、少なからず本心だったのだと思う。

でも、扉越しに流したさよならの涙もまた、アンジェを守るため、アンジェを思う、本物の気持ちだったのだと思う。

プリンセスの人生をおもちゃにした。

この台詞は手厳しい。

10年前のロンドン革命の時にお互いの人生が激しく変化した。不可抗力であってアンジェの責任じゃ無いと思うし、アンジェも相当な苦労をしてきたのでこれ自体は一方的に非難される話じゃ無いと思う。

ここは「壁を無くす」という信念を植えつけたのはアンジェなのに、今度はプリンセス本人の意思に無関係に後戻り出来ない形で逃げ出そう、と言い出した事に対して「私の人生をおもちゃにした」発言が出たのだと思う。

でも、これはプリンセスと内緒話ができない状況で、しかも味方が居ない状況でのアンジェにとっての最善手。

しかしながら、アンジェはプリンセスの肝心な心が理解できておらず、結局、プリンセスの逆鱗に触れてしまった。

仕方が無い事だと思う。今週の痴話喧嘩はちょっと重い。

アンジェの涙

f:id:itoutsukushi:20170921012554p:plain アンジェは全てを失ったけど、プリンセスへの罪の意識からプリンセスに一言謝罪するために今日まで生きてきた。

幾ら何でも律儀すぎると思う。

スパイ養成所に入ったのは、偶然だったかも知れないが、チェンジリング作戦まで立案してロンドンの壁を超えてプリンセスに会いにきた。

でも、謝った上で一緒に逃亡しようとしたプリンセスには、「壁を無くす」目標のためここから逃げる事は出来ないと断られた。

その後も、プリンセスの身を案じて注意深く作戦を考えるのにプリンセスの好奇心に振り回され、苦労し続けた。(プリンセスの判断が最善手の事も多いけど)

プリンセスは、こうしたアンジェに対して決して謝罪する事や有難うと感謝する事が無い。アンジェの罪の意識に漬け込んでわがままを言っている様に感じていた。

そして、今回はダメな子のアンジェが嫌い!という捨て台詞と共にプリンセスは目の前から立ち去ってしまった際に、アンジェは遂に涙を浮かべてしまった。

私はプリンセスはアンジェに辛く当たりすぎていると思ってたし、アンジェが可哀想で同情してたが、遂に泣かせてしまった。

アンジェはプリンセスの人生をおもちゃにした、という点についてはプリンセスに謝る必要があるかも知れない。

しかし、プリンセスはアンジェにこれまで頑張って守ってきてくれて有難う、という気持ちを表さなければ、物語が完結しない様に思う。

是非、12話でプリンンセス→アンジェに、今まで守ってくれて有難うごめんなさい、アンジェ→プリンセスに、今まで縛りすぎてごめんなさい、と歩み寄らないと個人的には物語が着地しない。是非とも二人には仲直りして結末を迎えて欲しいと願う。

アンジェというヒロイン

スパイというのは超能力者と同じで日常から離れ過ぎてしまい、視聴者の感情移入がしにくいキャラになりがちではある。それは、スパイものである事の逃れられない呪縛かも知れない。

特に、アンジェは1話でエリックを保険金詐欺で自らの手で引鉄をひき、射殺している。田舎娘やヤンキー娘などの濃いめのものも含めて様々なカバーもこなしてきた、完璧で凄腕のスパイ。

黒蜥蜴星人。得体の知れないキャラ。

だけど、ここに来て一人悩み最愛の友人とすれ違い涙を見せる。女々しいと言ってもいいほどの崩し方である。急に弱点を見せ身近な存在になった。

私はドロシーと同様の感情でドラマを見ているので、ここまでの10話の間に溜まった緊張感を経て、この弱さを見せられて、初めてアンジェという人間描写が完成したと思った。そして、アンジェの事をより愛おしく思ってしまう。見事な展開だと思う。

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