たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

ひそねとまそたん 9話「ギャーーー!!」

はじめに

突然ですが、9話から「ひそねとまそたん」の各話考察・感想ブログを書きます。

8話では、新たな情報と謎がばらまかれ、これまでに丁寧に積み上げてきた伏線を更に立体的にした感じでしたが、9話で恋愛感情がドラマの軸に据えられて待ったなしの状態になりました。

本作は、残すところ3話というタイミングですが、このタイミングで考察しなかったら、勿体ないという事で、勢い書き殴らせて頂きます。

考察・感想

10話 次回予告

公式HPにて、10話の予告文章が記載されています。

ズルいですが、この文章も今後の展開の考察材料にさせていただきます。

  第10話
  「好きになったらトロけちゃう」
  上層部の懸念は的中した。恋愛感情が、OTFとDパイの関係に重大な亀裂をいれてしまった。
  “吻合”によりまそたんに乗れなくなったひそねは、まだ自分の気持ちに気づけずにいた。
  ひそねの姿を見た名緒は、自分にできることを見つめなおす。
  ノーマに乗れなくなった絵瑠は、再び夢を追いかけ始める。
  小此木、そして棗、“マツリゴト”を目前に揺れ動く岐阜基地の面々。
  来たるべきその日に向け、人それぞれに新たな動きが始まっていた。

「吻合」という言葉の謎

作品内では、恋愛感情を持ったDパイをOTFが消化する事を「吻合」としていたが、そもそも「吻合」の意味がしっくりこない。

  [名](スル)《上下のくちびるがぴったり合うの意》
  1 物事がしっくり合うこと。一致すること。「双方の話が吻合する」
  2 血管・神経などが相互に連絡をもつこと。また、血管や腸管などの端どうしを手術によってつなぐこと。「動脈吻合」

OTFが恋愛感情で心揺れるひそねと絵瑠を搭乗させたとき、目を回して苦しそうな表情を浮かべていた。まるで異物を飲み込んで、アレルギー反応というか食中毒反応というか、拒絶反応をしめていた。その場合、胃液で異物を溶かす行為は普通の生物はしない。

もし、項番2の臓器などを繋ぐ意味だとすると、DパイとOTFの臓器とを接続してしまうというエグイ話になるが、それもニュアンスが違うと思う。

その意味で、「吻合」という言葉が持つ意味を、10話以降で明らかにする可能性はあると思う。

いずれにせよ、ここでは、Dパイの恋愛感情と、OTFの拒絶反応という問題として、2組のカップルについて考えてみる。

星野絵瑠と財投豊について

絵瑠と財投の距離感

もともと、財投は殆どの女性に触手が動くく女好きとして登場し、プライドの高い絵瑠をギャフンと言わせてモノにする事を考えていたが、絵瑠の振舞いに次第に彼女を尊敬し、恋愛対象として気にし始めていた。

承認願望の強い絵瑠の方も、もともと軽率で嫌っていた財投が自分を認めてくれる事で、次第に気にし始めていた。

こうした矢先に、事故で二人がキスをする事で、一気にゼロ距離になった形。互いに好きという感情は見えているが、互いに好きを言っていない状況。この状況で、ノーマの吻合が起きた。

ここで絵瑠は、男(財投)と仕事(ノーマ)の二択を迫られた形である。

絵瑠がOTFに乗る理由

絵瑠はもともと、なぜ自衛官になりファイターパイロットを目指したのか?

それは子供の頃から、F-2パイロットになる事が夢だったから。しかし実際にはもう少し複雑な感情があり、初めてノーマに乗って大空を飛んだ時の感動を忘れられないから、というノーマに対する感謝というか、パートナー意識が合った事が6話で判明した。

絵瑠は、意地っ張りで押しに対しては強いが、逆に引きに弱い。だが、元々のパイロットの夢、ノーマとの友情、冷静に考えれば、今は仕事を取りたいと思うはず。

絵瑠と財投の決着の予想

財投は優しい。多分、絵瑠の望みにかなう対応をしてくれるだろう。絵瑠がOTFに乗ると言えば、二つ返事でそのような対応をすると思う。

一度、恋愛を経験しても、完膚なきまでに失恋すれば、OTFも受け入れてくれるというのが、7話の曽々田団司令の言葉であった事を考えると、多分、絵瑠が涙を飲んで財投を振る形になるのではないかと想像する。

逆に財投が絵瑠を振っても良いのだが、それでは、絵瑠の気持ちの整理が付かない。やはり、絵瑠自身が、気持ちに区切りをつける事に意味があると思う。

甘粕ひそねと小此木榛人と貝崎名緒について

ひそねの問題

ひそねは、岐阜基地でまそたんに合い、まそたんとパートナーを組み、中途半場を止め、岐阜基地の顔として責任感も持ち、岐阜基地の仲間や、Dパイの仲間を手に入れて、順風満帆な状態だった。

ひそねは、誰とでも仲良くできる器用な性格では全くなく、時に相手の気を悪くしながら、時に相手との間を詰めながら、持ち前の素直さで、周囲に溶け込んでいった。

しかし、9話で棗の台詞に振り回される。棗との会話で強調されたひそねは、人の機嫌を伺い自分自身を持たないキャラだったと思う。女子高生の機嫌を伺う自衛官という極端なまでの卑屈な描写。

この、自分自身を持たない、というのは、8話で「まそたんに夢を見させてもらっている」という言葉に微妙に繋がると思う。自分自身を強くもっていないから、夢というフワフワした言葉が出てくるのではないだろうか?

何かあると自分を置き去りにしてしまい、他人に流される。多分、ひそねは自分の足で大地を踏みしめ、自分で進行方向に舵をきり、自分の力で前進している、という感触に乏しいのだろう。

端的に言えば「自我の無さ」。これが、ひそねの本質的な問題だったのだと思う。

しかし、まそたんはひそねが唯一流されずに選んだ選択肢である。もちろん、1話では流されて登場し、2話では名緒にDパイを譲ろうとする素振りも見せたが、3話以降、自分がまそたんに搭乗する事をキッチリ選んで来てる。ひそねがまそたんと出会い変化した、という流れである。

ひそねは、まそたんを選び勝ち取った、という事で自身の問題を解決していた様に思えた。

ひそねがOTFに乗る理由

ひそねは、なぜOTFに乗るのか?

キッカケは何で有れ、ひそねがOTFに乗るのは、まそたんと一緒に何かをする事で、皆に必要とされる充実した生活が送れる事と、まそたん自身が好きだからだと思う。

まそたんは生き甲斐。まそたんに乗れなければ、元の不要な人間に逆戻り、という恐怖があってもおかしくない。

ひそねの恋愛感情

ひそねは自分が恋愛する事も想定していなかったし、想像もしていなかった。

ひそねが恋愛感情と気付いた時の奇声は、幼児の奇声に似ていて、面白い演技だと思ったし、ひそねにぴったりの演技だと思った。

要するにひそねという人間は精神が幼児なみに純粋という事だと思う。飲酒出来る大人として考えてみると、いささか問題がありそうだが、その純粋さこそが、Dパイとしての資質なのかもしれない。

もともと、ひそねは自分自身を律する事も出来ないだろうし、戸惑い、流される事しか出来なそうな気がする。

小此木の恋と仕事

小此木は、ひそねの何が好きだったのか?

7話を見た感じ、ひそねの無防備で屈託の無さが、可愛いと感じていた様に思う。どうして、そのような女性に恋心を抱くのか?それは分からない。

後、小此木はまそたんを可愛がっている。まそたんを可愛がるという共通の認識をひそねに感じて、同志という意識はもともと持っていたのだろう。その意味では、小此木もまた、7話で曽々田団司令に恋愛して失恋させる作戦を命じられた事で、恋愛を意識したという意味では、ひそねと小此木の恋愛意識は似たものがある。

小此木の仕事とは何か?

おそらく、小此木はもともとがマツリゴトを成功させるべくして、岐阜基地のまそたんの元に来たと考えると、小此木家を背負ってこの仕事についているはずで、神祇官大福の仕事が最重要な事は間違いない。

公式HPのキャラ紹介を見ても、「実は芯の強い男。信念に基づいて、大事だと思ったことは貫きとおす」となっており、小此木から、ひそねを振るのだと思う。

そんでもって、多分、棗は小此木は本当はひそねが好きだけど、任務の為に裏腹な行動を取る事を察してしまうのだろうな…、などと妄想。

名緒の出来る事

名緒の振る舞いが気になる。

名緒自身は、この状況であれば、進んでDパイの仕事に挑戦してゆくと思うが、展開が読めない。

これも妄想でしかないが、ひそねは何もかも失い、自信を失い、1話みたいなダメ人間になってしまう可能性が高い。

そんなひそねに結果的にカツを入れるのが名緒の役割な気がしてならない。2話で助けてくれた事を感謝してるとか、そんな甘い話じゃなくて、ひそねにやる気を出させる何か…。

今は見当も付かないが、そうあって欲しい、と思う。

最後はひそねの気持ちにかかっている

もう妄想でしかないが、小此木にフラれ、名緒にカツを入れられても、最後はひそねが再びやる気を出さなければ、ドラマとしては次に進めないと思う。

その気持ちの持って行き方が、10話の最大のポイントになりそうな気がする。

クサビメ(楔目?楔女?)について

タツ様の2本の尻尾を、ロープでしばり、結び目に封印するのが、多分、クサビメの役目。これが成功するとオネガエリ(尾根返り?)が完成し、臥所での封印が完了する?

クサビメの巫女は生贄みたいなSNS発言をよく見かけるけど、多分、生贄ではなく、とても危険な任務という事なのだと思う。思うに、貞さんは74年前の任務でクサビメの巫女の命を事故で落としてしまって、あんな目で巫女達を見てしまうのではないだろうか?

その、クサビメの仕事は、Dパイと神職と巫女がその場に居合わす事になる。実際に戦力としてミタツ様に対抗できる力は、OTFに限られるだろうから、神職と巫女を守るものDパイの任務だと思う。Dパイの仕事は誘導するだけの簡単なお仕事では無いのだろう。

今後の展開

超概略ですが、今後の構成は下記ではなかろうか?

  • 10話 絵瑠とひそねのDパイ復活
  • 11話 74年前のマツリゴトとマツリゴト前半戦
  • 12話 マツリゴト後半戦

こうしてみると、カツカツな感じ。

OTFやミタツ様は、地球外生命体じゃないか?とか、いろいろといじる余地がありそうだけど、そういう横っちょの話は全く出来る余裕がなさそうっすね…。

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8話、9話のつぶやきです。