たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

2019年冬期アニメ感想総括

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はじめに

2019年冬期アニメの感想をまとめて残します。今期視聴のアニメは以下。

作品毎に評価(rating)と良い点(pros)と悪い点(cons)を記載します。

感想

バミューダトライアングル ~カラフル・パストラーレ~

  • rating ★★★★★
  • pros
    • のどかな田舎の村の平和な日常の物語
    • 競争、争い、根性、恋愛の無い世界での、子供たちの繊細なドラマ
    • 敢えて低カロリーな作画とゆったりした演出
  • cons
    • 万人に薦めにくい

本作は、昨今のアニメ作品と比べると、作画は低コストで平凡、演出も丁寧ながら地味、はっきり言ってしまえば、一世代前の古風な作風で、一見退屈な作品に見える。

しかし、私はこのカラパレに見事にハマってしまった。

本作は、従来のアニメ作品と比べて、とてもイレギュラーな作品であり、その事について、これから説明してゆく。

物語のアウトラインとしては、田舎のパーレル村の4人の仲良しマーメイドのもとに、都会から1人のマーメイドが加わり、5人いっしょに仲良く過ごす日常を描いてゆく。

彼女たちはまだ学校に通う子供たち。互いに個性を尊重し、認め合い、いつも一緒に行動し、助け合い、喜びを共有する。

彼女たちを見守る大人のマーメイドも居る。大人も子供の個性を尊重し、良きところを褒め、悪い所を叱り、子供たちの自主性を促す教育をする。これは、子育てのセオリーでもあり、その意味でEテレの番組の様でもある。

この作品の中には、他の作品にありがちな、競争、争い、根性、恋愛が無い。

私たちは、大会優勝などの目標に向かって頑張るとか、大きな問題を抱えていて解決するとかのカタルシスを味わうタイプの作品に慣れ過ぎていて、それを当たり前に感じていたと思うし、マーケッティングもその方が売れると判断して、そういう企画の作品ばかりが量産されてきたのだと思う。

逆にそこを描かないと不安になる。そうした要素が無いと、物語として「だから何?」と感じてしまう視聴者は少なからず居るだろう。この辺りが、本作を万人に薦めにくいところでもある。

しかし、本作は敢えて、そのような要素を排除している。都会や大人のそうしたストレスを排除した、のどかな田舎の村の中で、視聴者もストレスを味わう事無く、のびのびと同じ時間を過ごす。

そのような田舎だからこそ、穏やかで心温まるドラマが出来る。ささやかだけど、繊細な気持ちのドラマ。

本作には毒が無い。通常のアニメが大量の添加物で刺激過多の作品だとすると、本作は無添加、天然素材の体に優しい作品である。

注目度が高いアニメは、派手なアクションだとか、くど過ぎる萌えだとか、とにかく色んな要素がてんこ盛り。それは企画時にキャッチーな要素を盛り込んで、売上向上を狙うからだと思う。美麗な作画、滑らかで外連味のある動き、キレのある演出、細かすぎる背景、これらの事をコストを掛けて作り込み、その作品に熱狂する。それが当たり前だと、思い込んできた。

昨今、情報番組を見れば、結局何らかの宣伝をしていたり、ひな壇芸人が的外れなコメントしていたり、多すぎる過剰な付加情報に視聴者はウンザリしている。

本作は、こうした現代日本のマスメディア作品に対するアンチテーゼである。

田舎でのどかに暮らす。テレビはブラウン管であり、田舎ゆえ受信状態が悪く、そんなときは叩いて直す。マンタはカンカン帽をかぶる。映画の媒体は球体のキネオーブではあるが、映写機のくるくる回転する部分はフィルムの回転を連想させる。明確に昭和レトロを狙っている。

そうした、ゆったりした昔ながらの時間の過ごし方を体現するために、敢えて作風も一世代前になっているのだと、確信している。低コストでも良作は出来る、という証明でもある。

スポンサーはブシロードのみ。製作委員会もない。カードゲームの販売促進のためのアニメ作品だが、ソナタ達のカードの能力である「旋律」を使うためのキャラの性格付け、バミューダ△の作品世界の設定を使う事、などの制約のみ。普通に考えれば、彼女たちはアイドルなのでアイドルアニメになるところだが、そうならなかった事の奇跡。

監督は、うる星やつらなどの演出、絵コンテを担当した西村純二監督。古参のベテランである。私は6話でうる星やつらっぽさを感じたのだが、西村ジュンジ脚本、西村純二演出回だったのは納得。

シリーズ構成は横手美智子さん。ギャク作品が多いイメージだが、子供の心とそれを見守る大人の様子を丁寧に描く。

このような企画の作品が2019年に登場すること自体が奇跡だと思うが、私はこうした作品が増えてゆく事を望みたい。

荒野のコトブキ飛行隊

  • rating ★★★★★
  • pros
    • 迫力満点の空戦
    • 旧陸軍、旧海軍の多数の戦闘機を登場させた戦闘機愛
    • 悲壮感を感じさせないカラッとした作風
  • cons
    • 作風からくる尺不足のドラマの見せ方

本作は、空戦、および戦闘機にまつわる映像・音響を愛を持って3DCGとして再現した。それは戦闘機愛といって差し支えないものだと思う。

私は1話を観て何の解説も無く、華麗にバレルロールで敵機の後ろを取ったり、一度ダイブして敵機に追いついたりするのを観て、ネットで空中戦闘機動やマニューバについて色々と調べてしまった。どのように操縦する事でバレルロールが出来るのか?とかに興味がわいた。

OA中にツイッターで解説が出たり、OA後に解説動画が作られたり、そういう意味では、説明が不足しているくらいの方が、作品により能動的に作品に没入できる、のかもしれない。

前半は、ちょっとしたドラマはあるものの、物語は殆ど無く、淡々と進行していったのも本作の特徴である。今思えば、最大限に空戦を魅せるためのシリーズ構成だったと思う。

後半は、イサオが悪役として頭角を現し、イサオ対反イサオ同盟みたいな戦争的な物語の流れがあり、最後はイサオが穴に吸い込まれ、解放感と、残ったイジツの世界の人達の復興、みたいな話で終わる。

本作のイサオの扱いは、最初、味方か?と思わせて実は敵だったという流れになるが、事業家、政治家として有能な部分も描いていたので、視聴者も敵か味方か分からない雰囲気で割と見て来たし、11話でレオナの交渉のシーンの直前までイサオがイイ人である期待を持ってそのシーンをみていた。でも、一方で、人の痛みが分からないサイコパスな描写が徹底されてきて、最終的にはレオナを踏みにじり、勧善懲悪の倒すべき悪人として描かれた。

単純な勧善懲悪を嘘くさく感じてしまうし、だからと言ってどの人も実はイイ人をやってしまうと、殺したら後味が悪い。その辺りが難しい。本作は、

  • 撃墜されても割と生きている
  • 死人は出ているが絶対に描かない

というラインで作られている。1話のように全くドラマが無いと、作品としては感情移入できないから、キリエのドラマの様な部分は足してくる。このあたりの文芸のスタッフの苦悩、葛藤は理解するが、結果的に良いさじ加減だったのだと思う。

ぶっちゃけ、本作はドラマよりも空戦重視。その事を理解して観た方が気が楽である。

演出も詰め込んでいて、間髪入れない台詞の応酬や、繋がりの有る会話でも別の場所に移動したシーンで繋いだり、かなりギチギチ。それも、深く考えさせないための考慮だと思う。

ミステリアスな要素として、ユーハング(=日本)や、穴などの設定が途中でクローズアップされ情報開示されて行くところも、視聴者の興味をけん引する仕掛けで、その辺りも良くできていて飽きさせない。

ドラマの見せ方に少し難色を書いたけど、こうして空戦やアクションを見せる作品としては、色々と挑戦的だったと思うし、その空戦自体は大満足していてスカッとするものであり、本作はとても楽しく観れた。

えんどろ〜!

  • rating ★★★★★
  • pros
    • 気楽に楽しく可愛さ満喫、安定のキャラの可愛さ
    • 緩さの中でもハラハラしたり泣けたりの緩急、笑いの基本ができている演出
    • 良く練り込まれたストーリー構成、キャラ設定
  • cons
    • 特に無し

ファンタジー世界の勇者PTの4人の日常を描くコメディ。

何も考えずに楽しめる作品として良くできている。基本の緩さだけでなく、必ず各話にハラハラしたり、泣けたりする部分を入れていて、緩急のメリハリがあり、とても安心して観れる。

キャラ設定もとても練り込まれていると思う。互いの個性の違いを許容し、べったりした依存関係ではなく、互いに尊重し、互いに協力し合うが、根本的なところでは互いに自由。オフの日は別々に過ごしたりする関係が心地よい。2話では、この中の誰もリーダーになれないが、丁度いい関係で勇者PTが成立している、というエピソードがあった。勇者PT内に主従関係は存在しない。

ローナ姫は、当初極度の勇者マニアという設定で登場したが、神格化して見ていたユーシャや勇者PTを、等身大の友達として見れるようになってゆく。

マオ先生は、魔王の運命を2話で一度捨てる。勇者PTとの付き合いでより人間味を取り戻してゆくが、11話ではもう一度、魔王として勇者に敵対する。最後の代の倒されるべき魔王としての運命を知るからこそ、その役割を全うすべく戦う、という流れだが、一方、魔王退治だけが最大の目的だったユーシャはマオ先生を倒す事に躊躇する、というドラマ。

特筆すべきは、その物語の流れが非常にロジカルで破綻が無く納得できるもので、そうした構成がいちいち上手い。

最後のオチも、チビが勇者と魔王の因果を食べて、みんな今まで通り幸せに過ごす、というものだが、ユーシャが勇者の肩書を捨てる事も、これまでのエピソードでユーシャの性格を知っているから納得できるし、チビが因果を食べてしまう超展開も、これまでの描写で妙に許せてしまうモノで、個人的には非常に大好きな話。

最後にローナ姫が用意する、装丁だけで中身が白紙の勇者物語を見て、再び勇者を目指し、勇者PTで冒険を続ける、というところで終わるラストも気持ちよい。

何も考えずに、身をゆだねて笑って観る。構成やキャラの深さを味わいながら観る。どちらでもいける骨の髄まで美味しい作品。

私に天使が舞い降りた!

  • rating ★★★★☆
  • pros
    • 良質なコメディとみやこ役の上田麗奈さんの好演
    • 美麗な作画
    • そんな中でも、少しだけ切ない様々な片想いのドラマ
  • cons
    • みやこの引きこもりや松本のストーカが多少重い設定

引きこもりの女子大生のみやこが、小学五年生の女の子の花に恋(もにょっと)するところから始まるコメディ。

みやこ→花は恋愛だが、嫌がる花にコスプレ撮影だの強要してしまうとか、花→みやこは変な人、だけど美味しいお菓子を供給してくれるとか、そういう欲望を補う微妙な関係がベースになっている。

そもそも、大人が小学生女児に恋する時点でロリコンになるのだが、主人公が女子大生であり、一言で言えば「百合+ロリコン」な作品である。ちなみに原作マンガ連載は百合姫

動画工房の作画は鬼の如く美麗。演出のキレも良い。楽しく、変態のみやこを愛でる作品である。

それだけだと飽きてしまうので、小学五年生の少女達、5人のそれぞれにフォーカスしたり、その中でも、誰かが誰かを好きな気持ちが登場し、その温度差が描かれる。

途中から、松本というみやこのストーカーが登場し、みやこ自身も変質者に好かれる、という逆の立場を体験させたり、キャラの使い方が美味い。

本作を観ていると、コメディの笑いがあるのに観終わった後で、得も言われぬ切なさが残る回が多かった。それは、仲良く過ごす彼女たちの関係が、ある意味、みな片想いであるから。ここに本作が単なる賑やかしの作品でなく、味わい深い趣があるところ、だと思う。

そうした切なさを味わう作品、なのだと思っていたし、原作はまだ連載中なので、このモヤモヤのまま、1クールが終わるものだと思っていた。

ところが、最終回である12話は、その想像をはるかに超える驚きがあった。

12話は尺の2/3を使ったAパートで劇中劇「天使のまなざし」を見せた。完全なミュージカルであり、それだけで一つの作品として成立する。原作では劇を上映した事にはなっていたが、劇の中身については全く触れられてなかったとの事。中身は完全なアニメオリジナルである。

劇中劇「天使のまなざし」は、天界に住む天使のアネモネと地上に住む人間のデイジーの住む世界が違う二人の恋愛がテーマ。アネモネが天使→人間に変わり地上に向かった時には、デイジーは既に亡くなっていたが、孫娘のマリーがケーキに込めたデイジーの愛をアネモネに伝えてくれた。そしてマリーとアネモネは、デイジーが残してくれたお店でお菓子を焼いて生きてゆく。最後はアネモネもマリーも亡くなって、3人で仲良く天界で天使として暮らし、新たな天使がタンポポの花から誕生して、終わる。

Bパートはまた日常に戻り、花はみやこの手を取り、みやこ→花は恋(もにょっと)して、だけど、あくまで、花→みやこはイイ人という関係でリアル側の本編は終わる。

本作は、この切ないテンションのまま終わらせるのを良しとせず、クライマックスとして劇中劇で多幸感を提供してくれた。

劇中劇では、時間(年齢)のギャップのある恋愛が一度は叶わなくても、時間を超えて、最終的には一緒になって幸せに過ごす、というハッピーエンド。アニメスタッフは劇中劇でみやこと花のハッピーエンドの関係を視聴者に別の形で提供した、10年後、20年後のみやこと花の姿を期待して。これは、アニメスタッフからの視聴者へのプレゼントでもあり、作品への愛だと思う。

本作のシリーズ構成は、山田由香さん。小林さんちのメイドラゴンでもシリーズ構成をされていて、切なさ満載のコメディで手腕を発揮している。

12話の脚本は山田由香さんと平牧大輔監督の連名。劇中劇はミュージカル仕立てなので、歌詞を作り、曲が出来ないと、絵コンテもきれないのではないか?と想像する。その意味で、おそらく、全てのコントロールを平牧監督自身がしたのだと思うし、そうしないとまとまらなかったのだと思う。

11話までも丁寧過ぎる作りだと思って見ていたが、12話の劇中劇は、本当に圧巻だった。

BanG Dream! 2nd Season (8話~13話)

  • rating ★★★★☆
  • pros
    • バンドならではの人間関係のドラマ
    • 曲(歌詞)とドラマの繋がりと相乗効果
  • cons
    • 特になし

すみません、本作は8話~13話の途中からの視聴です。8話時点でSNSで評判が良さそうだったので、途中から視聴しています。

8話から12話は、ポピパというバンドの中でギターのおたえが、人気も技術も圧倒的に高いRASのサポートギターの経験を経て、おたえにとってポピパとは何か?他のメンバーにとってポピパとは何か?おたえの気持ち、みんなの気持ち、言葉足らずな本音を喋れていない緊張感だったり、自分の本音を見つめ直したり、そうしたドラマが非常に冴えていた。

一見、口下手でふわふわしている感あるおたえだが、一度、文化祭ライブに穴を開けてしまって以降は、かなり強い気持ちでRASを断り、ポピパに専念する気持ちを持つ。一方で、RASのライブを見てしまった香澄達は、おたえはRASでギターを弾くのが幸せじゃないだろうか?とおたえの気持ちの外で迷ったりする。こうしたすれ違いのドラマ。

本作は、最初に文化祭ライブに穴を開けた事で、両立出来ない、というテーゼが明示されている所も上手いし、RASにはおたえの幼馴染が居てお互いに一緒に演奏したい気持ちが揺さぶりになる、という設定もドラマに効いている。

おたえと他のメンバが分かり合うのに「Returns」という曲でおたえが気持ちを伝える所がカッコいいし、それでメンバも泣きながら分かり合う。バンドならではの脚本。

暴論だが、バンド仲間=恋人と考えれば良い。誰と恋愛し、誰を選ぶか?と考えると本作は恋愛ドラマと言っても差し支えない。アイドルモノで考えると、競争だったり、挫折だったり、根性だったりの側面があるのが一般的だと思うが、本作はそうした側面を描かず、バンド仲間との繋がりや、演奏の楽しさをポジティブに描いていた。

また、キャラの性格付けは明確であり、その性格を活かした芝居を作り込んでいるのだけど、そこに矛盾が無い。だから、シリーズ構成、脚本は物凄くエネルギーを使って、この2期を作り込んでいるのだと思う。

ドラマ、脚本の話が中心になってしまったが、普段から楽器を使って、ギターをジャカジャカするシーンとかもあり、楽器=日常感がふんだんに溢れている。そして、楽器を触っているカットがいちいちカッコいい。もちろん、3DCGでキャラも楽器も描いているから可能なのだが、そうした絵作りの部分も、本作は気合が入っている、と思う。

また、ポピパだけでなく、他のバンドも個性的で被っていない。1話と13話はライブハウスで、5バンド全組演奏シーンがあるけど、それだけでも賑やか。もちろん、バンドリはガルパというゲームで儲けるビジネスモデルなので、その宣伝の意味もあるのだけど。

それやこれや、一杯詰め込んでいるものはあるけど、私は物語重視なのでポピパに絞ったドラマ作りが非常に良かった。

あと、すみません、★4つにしているのは、前半を観ていないので、その分を1つ開けておきました。

ガーリー・エアフォース

  • rating ★★☆☆☆
  • pros
    • 萌え、戦闘機、未知の敵、人類存亡など、男の子ウケ要素てんこ盛り
  • cons
    • アニメ全体を通して低予算的なチープな感じ

本作は、圧倒的な機動力で人類を圧倒している未知の敵、ザイによって母親を失った少年、鳴谷慧が、ザイの技術で航空自衛隊で作られたアニマであるグリペンと一緒に戦闘機に乗ってザイと戦う、という物語。

グリペンの儚げでほっておけないヒロインや、元気いっぱいのイーグルや、皮肉たっぷりのファントムとか、米軍のボーイッシュなライノとか、様々な美少女(アニマ)が登場し、ここだけみたらハーレム作品。

超高機動で空中を移動するザイであり、現時点の人類の技術を超えているのだが、アニマが制御するドーター(改造戦闘機)はザイに匹敵する機動を持ち、誘導弾をもアニマが制御する事で、初めてザイを撃墜可能としたというSF的な設定。

途中、幼なじみのミンフォアとの痴話げんかあり、アニマ達に圧倒されながらも、少しづつ信頼を取り付けて、共同作戦に挑んでゆく慧という恋愛や成長のドラマ。

米軍の登場で、アニマよりも人工知能による無人機での作戦に挑もうとする技術的な話もあり。そうした技術的なアプローチを作品内に盛り込むのは、プロジェクトXみたいで面白い。

しかしながら、個々の要素は成立していてはいるのだけど、それらの要素がバラバラ。これとあれが繋がって、はっ、とするようなところが無い。だから、ドラマ部分で泣けたりしても、それぞれのパンチが散漫で効いてこない。全体的に見たときに盛り上がりに欠ける。

低予算なのか、全体を通してアニメとしてチープな感じがあるのも大きなマイナス要素。

酷評になってしまいましたが、ラノベで読めば、また違った感覚だったのかもしれない。テレビアニメという毎週24分で1クールという尺の中では、構成が難しい作品だったかも、と思う。

おわりに

2019年冬期の6本も、結構、骨のある作品が多く、視聴に気力を使った感がありました。

私は脚本家に注目してしまうのですが、カラパレとコトブキ飛行隊のシリーズ構成の横手美智子さんは、本当に実験的な作品を2本担当されていたと思います。

カラパレは、競争、争い、恋愛、努力根性を全く描かない、ある意味カタルシスゼロの癒しの作品。

コトブキ飛行隊は、空戦のために物語とドラマを削る、という実験で、だけどドラマに関しては美味しい所を高密度に情報を出して、足早に、ある意味丁寧に描かない作品。

このような作品はイレギュラーなので、試聴する方も気力を使いますが、ある意味、今期はこうした脚本の特異点だったかも知れません。

もう一方で、キララ枠的な作品のクオリティの高さには素晴らしいモノがありましたし、わたてんのシリーズ構成の山田由香さんは、今後も注目です。