たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

バースデー・ワンダーランド(ネタバレなし)

バースデー・ワンダーランド(ネタバレなし)

はじめに

2019.4.11(木)にワーナー・ブラザーズさんの映画試写会に当選して観てきましたので、ネタバレなしのレビューです。

今回はいつもの感想・考察とは芸風を変えて、宣伝記事みたいな感じで書いてみます。

なお、ネタバレ全開のブログはこちらになります。鑑賞済みの方はこちらも参照頂ければ幸いです。

概要

とりあえず、90秒の予告動画をご覧下さい。

小学生の女の子アカネが主人公の物語です。4月某日、アカネの誕生日の前日、ちょっとした事があって学校が面倒くさくなってズル休みをした日、叔母のチィの営む骨董品やにお使いに行き、成り行きでワンダーランドに救世主として招かれ世界を救うために旅をします。旅先で色んな人に巡り合い、その先にあった世界を救う事案とは何なのか?アカネはそこにどう絡むのか?

そんな感じの物語です。

感想

鑑賞後に思った事、感じた事を箇条書きします。

  • 思いっきり泣ける映画ではなく、意外とサッパリした映画
  • 全体的に優しい映画、親子で楽しめそう、でもアカネのドラマもしっかりある
  • 映画の75%は、ゲストとして海外旅行しているみたいな感覚
  • 映画の残り25%は、アカネが主人公の物語
  • 実世界もワンダーランドも、風景、家、大道具、小道具がリアル
  • 道中の保護者=チィが楽しい、ガイド=ヒポクラテス、ピポが可笑しい
  • 悪役=ザン・ク、ドロポがきっちり悪役してた

上記のうち、いくつか文章で補足します。

実世界もワンダーランドも、風景、家、大道具、小道具がリアル

本作は、設定や描写がリアルです。

まず、アカネの家ですが、ちょっと良い感じの木造建築で、凄くイイ感じです。

アカネの部屋は2階の傾斜屋根でちょっとロフトみたいになっていて心地よさそう。1階のLDKでは母親のみどりが朝食をサッと作ったりするのだけど、キッチンがタイル張りだったりしてカッコいい。庭先には家庭菜園やブランコがあって、そういう趣向の人が好きそうな住宅にになってる。それをみただけで、あぁ、この作品は人間や道具に対して、真摯に向き合って作ってるな、と感じました。

また、ワンダーランド側の景色も絵画のような美しさで、全般的に空気が澄んでいる(というか水が減ってる状況なので、そうなのかもしれませんが)感じで異世界感を感じました。

ワンダーランド側の建築や道具も丁寧です。旅先で晩餐で御馳走でもてなされたり、そうした時の食べ物や道具も実世界と同様にリアリティを感じるもの。

これらのデザインも含めて、イリヤ・クブシノブさんによるモノだと思いますが、その世界観がしっかりした安定感が本作の一つの見所になっていると思います。

このリアルな世界感が、まるで海外旅行をしているような気分にさせてくれます。

道中の保護者=チィが楽しい、ガイド=ヒポクラテス、ピポが可笑しい

私は小学生のアカネよりも、大人であるチィに感情移入できました。チィは一人で海外旅行に行って適当な雑貨を入手して骨董品屋で販売しているだけあって、つまり自由人。

旅先の晩餐では、いい感じでワイン(?)を飲んで、ヒポクラテスにからんで、途中から水を飲んで酔い覚まししたり。宿泊後、早朝は外に出て一人でヨガをやっていたり。あぁ、こういう人いるいる、という感じで観ていました。こういうところがいちいちリアリティがあります。

ヒポクラテスも常時真摯で、ちょっと全身ホコリを被った後で、背広の襟を掴んでビシッと正したり、そうした仕草なんかにもリアリティがあります。

根本がファンタジーだからこそ、こうしたディティールにこだわり、リアリティを出す事で、観客を上手く引き込むのだと思いました。

本作の75%はゲスト気分の海外旅行、残り25%はアカネを含めたドラマ

チィはこうした旅行が好きで慣れているので、旅先の珍しいモノをゲットして骨董品屋に並べようとしているくらい、バイタリティがあります。何より大人なのにワンダーランドを受け入れて行動している点で、アカネの保護者がチィでなければならないのだと感じました。

しかし、主人公のアカネは本当はワンダーランドから早く実世界に帰りたいのに、すぐに帰れないから仕方なく旅に同行する。

だから、アカネはこの旅のゲストであり、観客もゲストとして道中を共にします。この状態が75%続くので、こうなんだっけ?と思いますが、残ち25%の部分で急にアカネが主体性を持つ物語に変ってきます。

最終的にアカネが、この経験を経て少し大人になる。その成長は実世界に戻って来た後も有効。ひとときの冒険の終わりと日常の再開。日常を生きる、ちょっとした勇気と元気。

そんな感じの物語です。

おわりに

ちょっと人生に行き詰まったり、人生の倦怠期に、ちょっと旅行に出かける。そうした事で、また日常に戻ってきて新たな気持ちで過ごす。視聴者もアカネと一緒に旅をする。

本作は、そんな感じの映画だったと思いました。そういう意味では映画っぽい映画だったのかも知れません。

どうでしょうか?観たくなりましたか?