たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

HP ProBook 635 Aero G8 レビュー

はじめに

ノートPCをリプレイスしたので、そのレビュー記事を残す。

正直、HPのビジネス向けのノートPCというのは地味すぎる存在なのですが、それゆえプロの道具感にあふれていて、個人的には好感が持てます。

また、HPは世界規模の大手PCメーカなので、サポート体制やツール類も充実している安心感もありあます。

ただし、HPはクセが強いと言いますか、仕様的に不満な点もいくつかありますので、個人的に気になっている点も列挙します。

本気種の選定の経緯についても書き記しますが、自己満足的な長文なので、レビューの後半に記載します。

本製品の概要

HPのビジネスノートPCの命名規則は下記ではないかと思う。名称でおおよその製品の位置付けが分るようになっている。見てのとおり、ProBook 635 Aero G8は、HPビジネスノートPCのミドルレンジのモバイル機である。

ちなみに、G8はG7のマイナーチェンジモデルである。同一筐体に毎年更新されるAMD Ryzenのアップデートを施したものと思われる。G7が発表されたのが2020年11月末。おそらく、後継機のG9は、2022年の11月末に発表されると思われる。つまり、いい意味で枯れたPCである。

開封

宅急便で送付されてきた箱と同梱品。以前、DELLLenovoのノートPCは海外から直接送付されてきたが、HPは国内生産品でなくても、東京から送付されてくる。簡単なマニュアルなどは日本語で親切ではある。いずれにせよ、シンプルな箱詰めでゴミ出ししやすい点は助かる。

本体左右の端子郡。

本体背面裏側。WindowsのライセンスシールとWWANカードのSNシールが貼ってある。カッコ悪いのでWinの方は剥がすと思う。銀色ボディにWWANの黒シールは目立つ。

液晶天板は180度弱開くので使いやすいが、全開でもやや浮いた感じになる。

ハード

デザイン・質感

  • オール金属筐体
    • きれい
    • 掃除が楽
  • とにかく地味

見た目はHPのビジネスノートPCそのもの。筐体はオール金属性である。天板と底面はマグネシウム、キーボード面はアルミニウムだと思う。

私は過去にノートPCをアルカリ電解水で拭き掃除して、せっかくのThinkPadの梨地塗装をべたべたにしてしまうという大失態を何度か起こしている。その点、本製品は金属筐体なので無水エタノールでガンガン拭ける。5年くらいは使い続けるノートPCなのでお手入れが簡単な事は重要なポイントである。

金属の美しさを生かした筐体のため、見た目の質感は高い。しかし、約1kgの軽量筐体ゆえか、MakBook Airのようなアルミ削り出し筐体のようなガチガチの硬質感はない。天板を強く押せば軽くたわむが、それは耐荷重を考慮した設計なのであろう。

ちょっと面白いのは、天板を閉じてサイドから見たときに天板とキーボード面の間に隙間ができている。それまで使っていたDELLのノートPCやThinkPadはここに隙間ができないようにキッチリ設計されていたが、この辺りは緩めの設計である。もちろん、液晶面とキーボード面の圧着を考慮した隙間なのであろうし、使い勝手には何の影響もない。気にする人は気にするかもしれないが、私は気にならないタイプである。

また、液晶天板のヒンジは、完全に閉じた状態から2cm程度はトルクなしで開閉する。別の言い方をすると、本製品の両端をもって天地を逆さまにすれば、重力で2cm程度開く。これは、片手で液晶天板を開閉できるように考慮したものであろう。実際に片手だけで開閉するのはちょっとコツが必要だが、老舗メーカーの軽量機の使い勝手のノウハウの蓄積によるものだろう。

しかしながら、こうした工業製品としての品質よりも、本製品のデザインで重要な事は、デザインが地味なところにある。

世間では、MacBook Airなどをカフェで広げてドヤ顔するという自慢行為があるようだが、このノートPCは第三者の視線を全く集めない。この気負いなく使える地味さがイイ。多くの人はこの製品の名前を正確に言い当てる事は困難であろう。道具というのは、さりげなく気負いなく使えるものがカッコいい。

重量

  • モバイル機として必要十分な軽さ
    • 本体重量は、1.060g
    • ACアダプターは、234g

個人的には、今までのノートPCが同サイズで1.2kgだったので、約1kgというのはすごく軽く感じた。すぐ軽さに慣れてしまうかもしれないが。

今時、1kg未満のノートPCも珍しくないが、バッテリー持続時間とのトレードオフの関係もあり、バランス良くまとめられていると思う。

キーボード

  • 非常に良い
  • 押し込みが軽くて、軽快に疲れずに打鍵できる
  • PageUp/PageDown/Home/Endは、Fn+矢印キー
  • キーボードバックライトは無し
  • 個人的にちょっと惜しい点…
    • スペースキーがホームポジションの真ん中になっていない(多くの日本語キーボードがそうだが)
    • 電源ボタンがキーボード右上DELETEキー左に入り込んでいる。

キーボードは本製品の美点である。

打鍵する際の押し込みの力が軽い点がいい。以前使っていたDELL Latitudeや、ThinkPadはこの点キーボードの押し込みにある程度の力が必要だった。私はできるだけ軽く入力したいので、HPのノートPCのキーボードは歓迎である。

キーボード上の文字もシールではなくプリントであるため、キートップの見た目もきれい。

ちなみに、本製品はキーボードバックライトが搭載されない。男らしく潔い。私は余計な配線や消費電力になるためキーボードバックライト不要派である。しかしながら、世間一般ではキーボードバックライトは当たり前なので、その点は注意点である。

ちょっと脱線気味の話になるが、キーボードの話をし始めると、最終的には宗教染みた話にならざるを得ない。

あまり沢山のノートPCを触ったわけではないが、個人的にはやはり、Fujitsuのキーボードの打ち心地が王者だと思う。以前、家電量販店でFMV Chromebook 14Fを少し触ってみたが、評判通り、本当に打ち心地がいい。軽く押し込めてストロークが深く底突き感なく、ストレスを感じずに軽やかにタイプできる。

それと比較すると、HPのノートPCのキーボードは、軽さはそのままに、多少ストロークが短い感じである。ただ、前述のとおり、押し込みの力が軽くすむので、疲れにくい。

ちなみに、ThinkPadのキーボードも悪くはないが、HHKBを使っていたら固く感じるようになってしまった。一緒に使っているキーボードなどで印象は変わってくるものである。

あと、ちょっとした残念な事をいくつか。

個人的にはキーボードのホームポジションに指を置いたところが入力系のセンターになって欲しい。以前使っていたDELL Latitudeはスペースキーがちょうど「V」「B」「N」の真下にくるレイアウトで丁度センターに来ていた。付け加えるなら、スライドパッドも筐体中央に位置しているため、ホームポジションからみて右側にずれている。

なぜ、DELLはスペースキーをセンターに配置できるかといえば、右Altキーを廃止しているから。しかし、HP含め多くのメーカーは右Altキーを残しているので、スペースキーがセンターから右にずれる。完全に好みの問題で、左側にずれていたところで不都合はないと思うが、指が慣れてしまったので少々違和感がある。右Altキーとか使ってますか?

また、電源ボタンがキーボード内に配置されている。コストダウンからかもしれないが、個人的にはキーボード外に専用の電源ボタンが配置されている方が使い勝手がいいと思う。ただし、これで困っているということもない。

タッチパッド

  • 使い勝手はやや使いにくい
    • 独立した左右ボタンは無し(スライドパッドの左下端、右下端を押し込むタイプ)
    • 慣性スクロールの勢いは弱め

正直、タッチパッドはあまり褒めるところはない。

タッチパッドの機能は、

  • (a) マウスポインタの移動
  • (b) 左ボタン(ダブルタップ、もしくはスライドパッド左下物理押し込み)
  • (c) 右ボタン(スライドパッド右下物理押し込み)

である。多くの場合は、(a)のみ、(b)ダブルタップのみで操作できる。しかし、ドラッグ&ドロップや、右ボタンメニューはどうしても、左右の物理押し込み操作が必要になる。

本製品はこのパッドの押し込みのストロークも大きく感触があまり良くない。世間一般的にも、左右ボタンは個別の物理ボタンの方が好まれるところである。

以前仕事で使用していたHP EliteBookも同様のスライドパッドであったが、左下押し込みのメカスイッチが馬鹿になりかけていたので、あまり酷使したくない感じである。電車内とかはともかく、本製品は結局、Bluetoothマウスを使ってポインタ操作する事になると思う。

液晶

  • 色味が悪く、白色が黄色気味に表示される!
  • それ以外は、可もなく不可もなく

通販製品の液晶パネルは賭博みたいなところはあるが、液晶については正直がっかりした。他のノートPCなどと並べると明らかに色味が黄色寄りである。具体的に言うと、デフォルトでナイトモードになっている感覚である。

もともと、アニメ鑑賞がユースケースにあり、色味問題はかなり致命的である。とはいえ、クリエイター仕事をしている訳でもなく、色味が雑でもノートPCを使う事はできる。実際、これ単品でアニメを見ていてもすぐに慣れて気にならなくなってしまうくらい、私は鈍感ではある。せっかく購入した機種なので、ここは泣く泣く我慢しながら使ってゆこうと思う。

例えば、いつも拝見しているこちらのレビューサイトでは、キッチリとこう記載されている。

緑と赤の色がやや強めに発色されていますが、色域は広めで、非光沢で、フリッカーもなく、見やすさはまずまずだと思います。

事前情報として、緑と赤が強い(=黄色が強い)という事も提示されており、色味について無頓着だった事を猛省している。広色域ばかり気にしていたのでこれでOKと思い込んでしまった。次に購入するときには自然な色味というキーワードを最重要視するだろう。

ちなみに、液晶モニタ部品の素性がきになり調べてみたところ、

  • AU Optronics [Unknown Model: AU06B8B]

となっている。AU Optronicsは台湾にあるBenQグループの液晶パネル製造会社とのこと。ちょっと気になっているのは、製造日が2018年38週となっていること。2022年10月に購入したノートPCにしては部品がいささか古い気がいないでもない。16:10画面の液晶パネルなどトレンドに乗った部品であれば、ある程度の部品の新しさは保証されるのだろうから、そういう買い方もあったかも知れない。

ちなみに、この液晶パネルがIPS方式ではなくVA方式という海外のレビュー記事を見つけたような気がしたが真偽は不明。お値打ち感ある製品だけに、何らかの妥協はあってもよいし、個人的にはVA方式であっても、それほど気にしない。

色味が黄色以外については、明るさや視野角や色域などは可もなく不可もなくという雑な感想である。

バッテリー

  • 必要十分な53WHr
  • JEITAで18.7時間(推定実時間は半分の9時間程度?)

ここは、特に文句つけるところなし。

SIM

  • (当然ながら、)IIJ(Docomo) SIM使えてます

やっぱり、モバイル機を外でも使うことを考えると、これは便利だし必須。

拡張性

メモリ

  • SO-DIMMスロット×2枚

購入したのは、16GB×1枚。32GBのメモリを購入して48GBにしてみる予定。

メモリ64GBは男のロマン

SSD

  • M.2スロット×1枚

多くのノートPC同様に、SSDの交換は可能。購入したのは、512GBだが、とりあえず容量はこれで十分なので換装の予定はない。

ソフト

  • myhP
      • HP Programablr Key ……F12キーランチャー設定
        • キー設定は、F12、Shift+F12、Ctrl+F12、Alt+F12の4種類
      • 搭載アプリケーション
        • HP Quick Drop ……スマホなどの各種デバイスとのファイル共有
        • HP Audio Controls ……各種オーディオ設定
  • HP Support Assitant
      • 「デバイスの状態」の確認、「修正と診断」、「サポート」の総合窓口
        • 最新ドライバの更新
        • サポートデスクへのチャット、電話の窓口
    • HPのアカウントを登録する(しなくてもゲストで使える)
  • HP Wolf Security
      • セキュリティ関連のユティリティ

サービス

なんか、調子悪くて、ブラウザ上で製品特定させても、その次の操作でBad Requestになったりして動作不安定。どちらかと言えば、HP Support Assistantアプリの方が安定しているので、Webサイトには頼らなくてもいいかも。

また、マニュアルのURLも探そうとしたが、先のBad Requestでたどり着けてない。別途、安定したころを見計らって、再度記載を見直す。

個人的に気になっている点

他社製USB-C ACアダプターに警告メッセージ

他社製のUSB-C ACアダプターから給電すると、毎回下記の警告メッセージを表示します。毎回なので正直鬱陶しい。

ちなみに、DELLLenovoのPCでは見かけたことはないし、古いHP EliteBookでもこのメッセージは表示されていなかった。

パススルー給電式USB-Cモバイルモニタに対し給電しない

パススルー給電式のUSB-Cモバイルモニタに直接つないでも、モバイルモニタに給電されずモニタを認識できない。DELLLenovoのノートPCでは普通にモニタ識別できていた。この現象はHPのEliteBookでも経験しており、HPノートPC独自仕様なのではないかと思う。

ちなみに、モバイルモニタ側からパススルー給電する際は、普通にモニタを認識する。

本現象を回避するために、毎回下記の手順でモバイルモニタを接続している。なんらかの目的・意図があっての仕様だろうが、使い勝手が悪すぎるため、正直改善して欲しい。

  • (1) モニタにACアダプターで給電

  • (2) ACアダプターを外す(しばらくはデバイス起動している)

  • (3) PCと接続するとモニタ認識し給電をはじめる

トラブル

サスペンド後の挙動がおかしく、BluetoothWiFiが繋がらなくなる

  • 現象
    • スリープ復帰(?)すると、WiFi,Bluetoothが繋がらなくなる
    • スリープ復帰(?)すると、指紋認証ができなくなる

現象については、もう少し挙動を調査中だが、そのうちサービスに再問い合わせ予定。

本件が解決したら、解決法補を追記します。解決方法ご存じの方がいれば、ご教示いただければ幸いです。

総評

  • pros
    • 適度に小型軽量なモバイルPC
    • 良キーボード
    • LTE対応
    • 拡張性(主にSO-DIMMメモリスロット)
    • コスパ
  • cons
    • 液晶の色味が黄色寄り!
    • タッチパッドは独立した左右ボタン無し
    • 受注生産だったため、納品まで2か月かかったこと

購入までの経緯

リプレイスのきっかけ

2017年に購入した、DELL Latiude 7380 のリプレイスのためのノートPCを探していた。リプレイスの理由を下記に示す。

  • DELL Latitude 7380 自体の問題点・不満
    • TMP2.0故障(2年前からBIOSで認識されていない)
    • キーボードの好みが合わなくなった
    • バッテーリー劣化
    • 5年経った
  • 外部要因
    • 2022年は、Intel第12世代Coreプロセッサの著しい性能向上(=買い替え好機)

2022年は、AMD Ryzenプロセッサや、Apple M1プロセッサに遅れ気味だったIntelが、第12世代Coreプロセッサでかなりのテコ入れを施してパフォーマンスの向上と省電力ででIntelが巻き返しを図りかなりのテコ入れがされた。そのため、PCのリプレイスには良いタイミングだと考えた。

ただし、円安ショックにより輸入品が高騰し、魅力的だったM1 MacBook Aiのコスパが、新製品のM2 MacBook Airでリセットされてしまうという事もあった。

TPM2.0の故障は、保証期間3年を経過した直後に発生した。PC起動時にエラーメッセージが表示されF1キーを推すことで起動を継続す。F1キーさえ押せば使えはするが、面倒ではある。

キーボードの好みの問題は複雑である。もともと、キーボードには好印象を持っていた。しかし、2021年2月にHHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列を購入して使い始めると、DELLのキーボードのタイプに違和感を覚えるようになった。HHKBのキーの押し込みが軽くてすむため、DELLのキーの押し込み時に相対的により力をかける必要がある事、また、ストローク感も底づきが浅い事、が原因だと思う。なんとなく、弱い打鍵でゆったりしたストロークを持ってパンチしたい、という風に好みが変わった。この点に関しては、一般的に言われるように富士通のキーボードの打ち心地のレベルは高い(ただし高価)。

5年経ってもブレないニーズ

ノートPCに対するニーズやユースケーズについては、この5年間で変化はない。

  • 電車内や喫茶店でブログ用のテキスト入力や動画再生やTwitterする
  • ストレスなく入力できるキーボード
  • LTE接続
  • バッテリー駆動時間は実時間で8時間以上
    • バッテリーだけで1日使い続けられる
  • 画面はFHD(1920x1080)以上必須、高色域が望ましい
  • サイズは横幅30cm程度(13インチクラス)

逆に不必要なのが、

  • 過度なパフォーマンス

くらいか。

実際のところ、コロナ禍を経て、私自身が在宅勤務中心の生活になったため移動する日はかなり減った。それでも、移動中の電車内で考え事をしながらテキスト入力する時間はある。新しいユースケースはないので、従来通りの使い勝手が確保できればそれで良い。13インチクラスというのが、おおよそ横幅30cm程度となり、キーボードのサイズとしてもストレスなく入力できるサイズ感だと考えている。

ちなみに、私はタブレットを所有していない。外出中はスマホとモバイルノートPCですべて済まるスタイルである。なんとなくペン入力デバイスへの憧れはあるが、そこは諦めている。

2022年はOLEDを採用したノートPCが各社からリリースされた。高色域、高コントラストに憧れるものの、画面焼き付きのリスクや消費電力が液晶に比べ大きいなどの問題もあり、現時点では手を出す気にはならない。また、画面は非光沢が望ましいという事もある。

LTE接続は必須だが、LTE接続はビジネス機のみというメーカーが多く、対応機種はかなり制限される。スマホテザリングでもいいのでは?と思う人も多いと思うが、経験上、スマホのバッテリー切れを発生させているので、やはりノートPC本体にSIMカードを刺せる方が個人的に安心できる。

候補探し

2022年8月にザっと候補を色々物色していたが、ザっとこんな感じか。

この中にはニーズから外れているモノもあるが、物色しているとあれやこれや夢を見る事は、誰にでもあろう。インデントが一段下げているモノは、そのメーカーの中での2番手3番手候補になる。各機種、どこか光るポイントはあるが、詳細説明は省く。

この中では、王道とも言えるThinkPad X13がハードウェア的な先進度、高過ぎない価格、安心感という意味で本命として考えていた。しかし、つまらない事にBTOLTEオプションが選択できないという状況が続いていた。

もともと、私自身はThinkPad大好き人間であった。ただし、5年前にDELLを購入したのは、Lenovoスパイウェア事件があり不買運動を決め込んでいたからである。ちなみに、ThinkPad自体にスパイウェアのプレインストールがあったわけではないが、不買運動とはメーカーの姿勢を問うものであるから、ThinkPadのハードウェア自体の信頼感とは別の話である。

そんな中で、色々とレビュー記事を漁ってゆくうちに、HP ProBook 635がSO-DIMM 2スロットである事が分かる。つまり、メモリ64GBに増設可能な貴重な選択肢である。

ProBookはHPのビジネスノートPCのミドルレンジを担う。高価過ぎず安過ぎず、派手さはなく質実剛健。そんな中での本製品の美点は、良キーボード、バッテリーと質量のバランスの良さ、アルミとマグネシウムで囲まれた筐体のしっかり感。ぶっちゃけ地味だが、それがまた個人的な好みに合っている。

HPのノートPCは、HP EliteBook 830 G5というのを仕事で使っているが、キーボードの感触が独特で、キーの押し込みが軽いのが好印象である。

Ryzenプロセッサなのでメモリはデュアルチャンネルの方がビデオ性能が高まるが、本製品は片方を開きスロットにしている。メモリ増設は許されており、やろうと思えば64GBも出来る。そう考えるとベースモデルを易く購入してメモリ増設したらいいんじゃねぇ、という気持ちになった。気持ちは固まってきたが、とりあえず購入して増設、換装せずに使える、メモリ16GB、SSD512GBモデルをターゲットにする事とした。

現行機との比較調査

製品発表後、4か月経過しているため、レビュー記事も充実しており参考になる。下記にレビュー記事のリンクを列挙する。The比較さんのレビュー記事はいつも充実していて頼もしい。

メモリ8GB、ストレージ256GBにすればLTEモデルでも約10万円で購入できるが、SSDを換装はOSリカバリーなどひと手間かかるため、そのままでも使えるスペックのモデルにした。いずれは、メモリ64GBはやってみたい。

上記の構成詳細と見積価格を下記に示す。

また、現行機と候補機のスペックの比較を下記に示す。

No. 項目 現行機 候補機 備考
1 名称 DELL Latitude 7380 HP Probook 635 Aero G8
2 サイズ 304.8x207.9x17.3mm 307.6x204.5x17.9mm
3 重量 1.17kg 1.05kg HPはレビュー記事
によると1.08kg
4 CPU Intel Core i5 7300U AMD Ryzen 5600U
5 メモリ DDR4-2133
8GB
DDR4-3200
16GB
HPは16GB×1本
(空きスロット×1)
6 ストレージ M.2 PCIe NVMe
SSD 256GB
M.2 PCIe NVMe
SSD 512GB
7 WWAN 4G LTE 4G LTE
8 画面 13,3インチ 非光沢
1920x1080ピクセル
13.3インチ 非光沢
1920x1080ピクセル
DELLはIPS液晶
HPはVA液晶
9 キーボード - - HPのPgUp/PgDown/
Home/EndはFn同時押し
10 タッチパッド - - HPは左右ボタン無し
11 保証 3年 1年
12 価格 140,814 円 124,000円 送料税込み
13 注文日 2017年10月27日 2022年8月26日

こうしてみると、驚くほど似ている。乗り換えても違和感はなさそうに思う。

ノートPCの液晶だが、時代は16:9から16:10に移り変わりつつあるが、候補機は16:9のままである。液晶も縦長でない分、ノートPCの縦も短くて済み、現行機とほぼ同じサイズ感となる。

ちなみに、CPUのTDPも似通っている。

No. 項目 現行機 候補機 備考
1 CPU Intl Core i5 7300U AMD Ryzen 5600U
2 TDP 15W 15W
3 cTDP 7.5W-25W 10-25W コンフィグラブルTDP

気になっているのが、放熱設計。レビュー記事を読むと、フルロードでCPU温度が100°C近くまで上昇している。The比較さんのレビュー記事では、「放熱性能は高くないので、あまり高い負荷はかけないほうがいいと思います。」とある。ググった感じ、一般的にCPUの適正温度は80°C以下。ちなみに、ThinkPad X13では、75°Cくらいに抑えられているとの事。CPU温度が高いと熱暴走のリスクがあるが、かつてMacBook Proを熱暴走させ、基板交換した経験があるので、熱にはトラウマがある。とは言え、今時のノートPCで、VS CodeやFHD動作再生程度で負荷はかからないと思いたい。

この時点で、候補機に対するメリット・デメリットを整理するとこんな感じか。

  • pros
    • 後付けで、メモリ64GB増設可能(のワクワク感)
    • 良キーボードの期待感
    • 今まで通りのサイズ感
    • 地味で目立たない感
    • ボディ表面が非しっとり塗装(使い込んでベタ付かずに済む)
  • cons
    • 高熱がちょっと心配かも(高負荷をかけるつもりはないが…)
    • 液晶画面は、性能低下するかも
    • タッチパッドに専用ボタンが無いのは、若干使いにくいかも

とりあえず、こんな感じで注文を決心する。

注文から納品まで

注文する前から、納品予定日が「欠品のため納品にはお時間をいただいております」となっていたことから覚悟はしていたが、注文が受け付けられても、納期の通知はなかなか来ない。

途中、注文キャンセルしてThinkPadを注文しようと何度考えた事か。

結局、8月26日注文し、10月25日に納期連絡メールを受信し、10月29日納期となった。待ちに待った2ヶ月であるが、注文生産であればこの程度待たされる事は目安として認識しておきたい。

ちなみに、2022年11月3日時点で確認したところ、本製品のWeb販売ページには「完売御礼」となっており注文が終了していた。

なお、本製品の後継機種は、G9(=第9世代)となって2022年11月末に製品発表されるものと予想している。このレビュー記事を公開してから、間もなく発表となるという意味では、全く持ってタイムリーではなくなってしまった。

おわりに

個人的には、液晶モニタの色味が黄色寄りなのが気になりますが、画像や映像をシビアにみる仕事でなければ、想定通りの使いやすいノートPCだと思いました。

何よりも、枯れた技術なのが安心できます。

現時点でトラブルもありますが、悩みに悩んで選択した機種であり、愛着もって使い込んでいこうと思います。