感想・考察
アン・マグノリア
父親は他界。母親は自宅で病気療養。あと家政婦のエリスと高原の屋敷に三人暮らし。
母親の不治の病に気付いていて、そのうちに母親が亡くなったら独りぼっちになってしまう。だからこそ、残された貴重な時間を母親と過ごしたい、と強く思っていた。
最初はただの甘えん坊に見せかけて、この年でその運命を背負ってた。
しかも、母親の病気について「自分が悪い子だから」と自分さえも責めてもいた。その気持ちがあるから運命から目を逸らさない面もあったのかもしれない。
ただ、そうした重い運命を背負っていても、明るくて母親好きの子供として描かれていたアンはとても魅力的だった。
手紙の秘密を知りたいからか、夜中にヴァイオレットの部屋に来て、早く寝てくださいと追い返されて、ふてくされるとか。不思議な論理で行動する子供っぽさが、違和感なく描き出されていて、この辺りの演出のレベルの高い。
人形ごっこは慣れていた。だからなのか、ヴァイオレットを大きな人形と思い込み、普通は苦手なお客様であっても、ヴァイオレットに対しては心を開きやすかったのかも知れない。
諸星すみれさんの声は大正解。
クラーラ・マグノリア
娘との限られた時間から一週間の時間を都合して、自分が亡くなった後も、気持ちをずっと届け続ける事を考えた。
自分の死後、娘に財産と家と向こう50年分の誕生日祝いの手紙を残した。
今回の手紙は、時空を超えて気持ちを伝える事を示した。手紙ネタで色々と考えるものだと思う。
川澄綾子さんの声も大正解。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
今回の代筆は、愛する人を置いて、先立つ人からの手紙の代筆であった。
ヴァイオレットは愛する人から取り残された人なので、アンを今の自分に重ねて見ていたのだと思う。
「どうしようも無い事なのです」は母親の死別の運命。「すでにお母さまの病気を受け止めてらっしゃる。あなたはとても立派です」はギルベルト少佐との死別を受け入れたからの台詞。
この悲しみを知っているからこそ、ヴァイオレットは泣きたかったはずなのに、目の前の小さな少女のために、涙を封印して、プロとして意味のある代筆業務に徹した。
この9話までの流れがあってからこそ、帰社後の号泣に意味がある。
ヴァイオレットの会話が子供向けのそれではなく、大人向けのしっかりした内容で向き合っていたのが、印象的だった。
Twitterのつぶやき
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年3月14日
母親が娘に残したものは家と財産と向こう50年の誕生日祝いの手紙。
一緒に居られる時間はごく限られるけど、愛する思いは先払い出来る。
自社に戻り一週間分の涙を流したヴァイオレット。時空を超えた愛。#VioletEvergarden
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年3月15日
母親がアンの添い寝を断りヴァイオレットの相手をさせたのは、ヴァイオレットにアンを理解してもらうためという母親の思惑があったのだろうか?と勘ぐって見たり。#VioletEvergarden pic.twitter.com/l8lziU6bsU
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年3月15日
アンはお客様が嫌い。というか苦手?
病弱な母親の元に来て、大体において母親を困らせて、そして自分と母親の時間を奪うから。
ヴァイオレットは人間では無く、人形と見られていた。その事がアンの心のハードルを下げていたのかも知れない。#VioletEvergarden
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年3月15日
ヴァイオレットが屋敷で泣くのを我慢していたのは、泣いて鑑賞に浸っていたら、プロとして代筆が鈍るからか。
その事が結果的に、アンにヴァイオレットがお人形であると思わせるのに都合が良かったのかも知れないという作戦か。#VioletEvergarden