感想・考察
キャラクター
エリート興行ボスのトリヘイ
突然ラハマに飛来し、雷電を浮世絵のコピーと交換しろ、と商談を迫ってきた空賊のエリート興行。その代表取締役のトリヘイ。
単純な略奪では無く、一応、絵と交換というビジネスの体裁を装う所が抜け目ない、というかヤクザっぽい。
40機の隼3型でラハマの町を襲撃し、ラハマとエリート興行の両者に多大な被害を出しつつも、雷電を手に入れたら速やかに撤収。
何故、空賊のエリート興行が雷電を欲しがったのか?エリート興行の更に向こうに何か組織があるのか?その辺りは不明。
トリヘイはヤクザだが、仁義よりも金で動きそうな軽さを感じてしまった。撃墜された営業部長達の事をどう思い、残された家族をどう思うのだろうか?その辺りは、考えると辛気臭くなるから特に描かないという選択肢もありだが。これだけ顔出ししていて憎めない感じもあるので、今後、ユーリア辺りが傭兵として雇う事もあるのかも知れない、などと妄想。
ラハマ町長と自警団団長
自警団団長は、エリート興行の果たし状に対して、コトブキ飛行隊を雇って守ってもらう事を町長に提案した。それは、練度の低い11機の九七式戦闘機では勝てない、と判断したから。その辺りの現実は見えていて、根性で押し通さない所に好感が持てる。
対して町長は、エリート興行との交渉もできず、ラハマの町を守るのに自分一人じゃ決められず、町議会でもコトブキ飛行隊に支払う予算が無いため、エリート興行に雷電を渡してしまう方向で決着させようとしていた。
しかし、エンマの雷電渡してもそれだけで済まないという発言と、コトブキ飛行隊と町民のみんなが協力して町を守る事で契約費用も割り引くというルゥルゥの提案と、町民の抗戦の意志により、町を上げての戦いを決断する。
また、戦闘終盤で雷電に搭乗して参戦した(とどめを刺される寸前のエンマが救われた)が、まんまとトリヘイに雷電を奪われ、絵を押し付けられ、パラシュートで町に降下しさらし者みたいになった。
町長は、頼りない情けないリーダーとして描かれていたが、これまでの平和な時代から、元の物騒な時代に戻る、世界の変化の象徴として描かれていた様に思う。
コトブキ飛行隊メンバの抗戦へのスタンス(キリエのみブレれた事に対する心配)
エリート興行への抗戦について、コトブキ飛行隊メンバのスタンスを下記に整理する。
- レオナは、オウニ商会との雇用契約下にあるため個人のスタンスは見せなかったが、ルゥルゥのコトブキ飛行隊と町民が一丸となってエリート興行と戦うという提案に賛同
- ザラは、レオナに従う
- チカは、断固抗戦する(血の気が多く喧嘩っ早い)
- エンマは、断固抗戦する(空賊に雷電を渡しても弱みに付け込まれそれだけでは済まない)
- ケイトは、要求を呑む(町が危険にさらされるなら)
- キリエは、この件のスタンスに迷いが見られた。
- 町で防戦できないなら、要求を呑む
- 町議会のエンマの演説を聞き、抗戦する
- 戦闘が終わった後、やっぱ雷電渡すべきだったかなと言い、防戦した事でエリート興行もしばらく手を出してこない、という自警団団長の言葉で微笑む
他のメンバは全くブレていないのに、キリエだけは、決断にブレを見せた。
キリエは抜群の操縦技術を持ちながら、こうした芯の所の弱さを抱えているのかも知れない。
チカは最年少だが、喧嘩っ早いので徹底抗戦のスタンスは全くブレていないし、気持ちは強い。2話のチカとキリエの子供の喧嘩は、意外とそうした周囲に流されるキリエの性格が出て、チカに流されて喧嘩になっているのかもしれない、と思った。
EDの歌詞にもある「何のために戦うのか?」の問いに一番ブレがあるのがキリエ。その事が、物語のテーマになるのかも知れない。
エンマの正義
今回は、エンマが目立った回だった。
エンマの言動から、気高さと共に空賊に対する憎しみを感じる。もしかしたら、今は登場していないエンマの家庭もかつて空賊がらみで痛い目を見ていたのかもしれない。エンマとキリエは幼なじみだから、そうしたエピソードがいずれ出てくるかも知れない、などと妄想。
エンマは今回気張り過ぎたのかも知れない。トリヘイに撃墜され止めを刺されそうになったが、それまでの流れでエンマ自身にミスが有ったとは思えない感じだった。毎日が空戦=毎日が死と隣り合わせ。また一つ、エンマの空賊への恨みが追加されたのだと思った。結果的にエンマを救った町長への謝辞も忘れず、礼儀正しさと強さを感じさせるエンマ。
反して空賊相手にしたときの閻魔様のような怒りの表情が凄い。名前のスペルはEMMAだから読みはエマで良いはずなのに、この閻魔顔のためにエンマと呼ばれているのだと想像。
次回、エンマ機は破損してしまっているのでどうするのか?どのような活躍になるのか?というのはあるが、エリート興行の隼3型を頂いてきちゃう、というのはあるのかも知れない、などと妄想。
空戦
空戦シーンについて
今回の空戦は、戦闘機同士のドッグファイトだけでなく、地上の町を空襲するというシーンが描かれていて、その意味で今までと違った迫力があった。建物の合間から覗く低空飛行で迫ってくる敵機。大通りを逃げる人間と機銃掃射して飛び去る戦闘機。地表からの対空掃射。
個人的にはそれらに戦争映画を連想し生っぽい恐怖を感じつつ、それでも本作のお約束である死人を直接見せる事は無いのが救い。
戦闘機について
今回登場した戦闘機について下記。おそらく、すぐに公式HPに記載されると思うが、現時点では未掲載。
- 海軍艦上爆撃機「彗星」
- エリート興行ボスのトリヘイの戦闘機
- 一式戦闘機「隼」3型
- エリート興行の社員の戦闘機
- コトブキ飛行隊の隼1型よりも30km/h早いから振り切られたら追いつけない
- 三菱 局地戦闘機「雷電」
- ラハマ町長の戦闘機
- 代々町長が乗り継いできたらしいがしばらく未使用だった
- 陸軍九七式戦闘機
- ラハマ町自警団の戦闘機
空中戦闘機動(マニューバ)について
空中戦闘機動についてのWikiは下記を参考に。
私は2話の空戦シーンを結構disりましたが、3話の空戦シーンは1話レベルのクオリティで盛りだくさんで大満足。毎回このクオリティで空戦して欲しい。
今回のマニューバは下記だが、ケイトが最高速度で負ける隼1型で敵機を撃墜するまでの複合マニューバがヘンタイ過ぎて凄い。ケイトは逆宙返り中に血が頭に上って額が赤くなる描写がある。3話を見てコトブキ飛行隊の中で一番技術が高いのはキリエではなくケイトなのかも、と思った。
- ケイトの複合マニューバ
- 後方に敵機の隼3型がついて振り切れない
- ケイト機がバレルロールで銃撃かわす
- ケイト機が上昇
- ケイト機がハーフのオーバサイドループ(English bunt)
- 敵機がスプリットSで追従
- ケイト機がインメルマンターン?からのダイブ
- 敵機はまだ上昇中でケイト機を見失う
- ケイト機が上昇して敵機撃破
- 木の葉落とし?
- 敵機に後ろを取られたキリエが、わざと機首上げ失速→スピンして落下→上昇
- 撃墜はエンマ
- サッチウィーブ
- 敵機と味方機が追いかけっこしてS字飛行している時に、もう一機が逆S字に飛行してクロスする点で敵機を攻撃
- キリエが引き付けエンマが撃墜、1話でもこの二人がサッチウィーブしてる
- コトブキ飛行隊が単機行動しないのは、この戦い方が基本のため
Twitterのつぶやき
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月27日
エリイト興行という空賊の言いなりになるか?抗戦するか?の選択肢に町一丸となって抗戦を選択したラハマ。
結局、雷電を奪われたが、双方傷を残したが、ラハマの町の戦う意思を示した事に意味があったと告げる自警団団長。次は雷電奪還作戦か。
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月27日
空賊に屈しない強い意志を見せた高貴なエンマ。血の気が多く好戦的なチカ。
要求をのみ戦いを避けたいとしたケイト。同じくキリエ。
だが、エンマの演説で戦おう、とブレたキリエの気持ち。
「何のために戦うのか?」キリエの戦う意志とメンタル面が今後のテーマか?
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月27日
コトブキの他のメンバは意志が強くブレてないけど、キリエはエンマの演説でブレたのが気になった。
キリエの中の芯みたいなものが弱く周囲に引っ張られる。
2話のチカとキリエの子供の喧嘩もチカに引っ張られたとも考えられる。
操縦技術の高さに反して、意志の弱さがキリエの弱点か?
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月27日
今回のマニューバも見応えありで大満足。
ケイトのオーバーサイドターンからのインメルマンターン。(English Bunt?)
キリエの失速、スピンによるオーバーシュート。(木の葉落とし?)
エンマのバレルロールによるオーバーシュート。
キリエとエンマのサッチウィーブ
あまりこういうサイトは見ないようにしているのだけど、意外とTwitter実況でマニューバの事を呟いてくれている人がいて助かる。アウトサイドのターンでレッドアウトを描いてたのは気付かなかった。 https://t.co/mQg2OYGUkO
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月27日
#コトブキ
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月28日
基本的な空中戦闘機動(マニューバ)とその操縦方法の教科フィルム|
Dogfight Aerobatics: "Acrobatics" 1943 USAAF Pilot Training Film; Air Co... https://t.co/8iaWzZgqsp @YouTubeさんから
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月29日
敵機に後ろを取られた後のケイトの複合マニューバが凄い。
バレルロールで銃撃かわす→上昇→逆宙返り反転(English Bunt?)→インメルマンターン?→ダイブ(敵機はまだ上昇中でケイト機を見失う)→上昇→敵機撃破。 pic.twitter.com/jr3CTqmRAi
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月29日
キリエの木の葉落とし。
90度ロールしながらワザと失速→スピンしながら落下→スピンから回復して上昇。 pic.twitter.com/7PEfZYy9b6
#コトブキ 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年1月29日
コトブキの中で一番操縦技術が高いはキリエか?ケイトか?
ただ、二人の違いは、ケイトが淡々と組み立てた複合マニューバを操るのに対して、キリエは天才的な直感で臨機応変に最適なマニューバーを操っているような感じがする。