感想・考察
キャラクター
アレンとケイト
まずは、アレンについての箇条書き
- ユーハングが何故来て何故去ったかを調べている
- 九七式戦闘機でユーハングが出現・消滅したゼロポイントを調べていたら、疾風?3機に襲われた
- ラハマ自警団の九七式は赤色のラインにラハママークだが、アレンのは黄色でマーク無し。個人機?
- 画面上は黒色だったが、演出上の意図的な変更で、それは本当は真っ赤な色をした血しぶきだったのだと思う
- おそらく、それが原因で歩行不能に。回復の見込みはほぼ無い。車いすで病院生活
- ケイトの兄
- お酒が大好き
- レオナと面識有り。アレンが無感情なケイトをレオナに預けた
- イケメンで社交的
アレンがゼロポイントで襲撃された日の70年前にユーハングが撤収した。アレンが怪我をして数年経過しているとすると70+α年前なので、
- 2019年、今現在
- 1945年(74年前)、太平洋戦争敗戦
というのは、概ねハズレという事はなさそう。
アレンは研究者気質だったので、本当に学者だったのかも知れない。その意味でケイトが強固な論理的思考も、血筋なのかも知れない。親の顔が見てみたい。
アレンとレオナの付き合いはいつ頃なのか?アレンは8年前のリノウチ大空戦の時に何をしていたのか?など色々と気になる。
ケイトは、アレンのためにアレシマで購入したユーハング酒と書籍を渡した。他でもないアレンの為に。おそらく、ケイトはアレンの入院費や研究費のために、コトブキで飛ぶのだろう。物語に興味は無かったとしても大切な人という概念は有る。ケイトは機械じゃない。
今回であれば、ナンコー油田火災消化の意義説明と作戦立案をし、マダムからも買われている、コトブキ飛行隊の頭脳でもあるケイト。おまけに物理法則に裏打ちされた計算づくのトリッキーなマニューバで戦闘機を超クールに乗りこなす。
いつかはケイトがみんなやアレンと酒を酌み交わす日がきてもいいと思う。ケイトの物語にも興味がある。
フェルナンド内海とアドルフォ山田(ナサリン飛行隊)の生と死
1話ではコトブキの引き立て役として登場し使い捨てと思われたナサリン飛行隊だが、5話でこの二人が復活したのは正直嬉しい。最年長のフェルナンド内海と一番若手のアドルフォ山田の二人を見ていると、洋画のバディ物を連想する。
ナサリン飛行隊の拠点はナンコーとい油田を持つ小さな町。ナサリン飛行隊の新規募集を募っても希望者がココに居るはずもない。人材不足でナサリン飛行隊の仕事もろくに来ない。山田はどっかよそで恋に生きるなどと気楽な事を言っているが、内海は自分の手は血まみれだから他のカタギな仕事は出来ないと言う。
そんな中で、彼らが守ろうとするのは、火災が発生した自分達の住むナンコーの町。
ラハマのコトブキ飛行隊に消火を依頼するが、それを阻止しようとした疾風に山田機が撃たれ戦線離脱。内海はキリエの彗星と疾風の間に割り込み、キリエの代わりに銃撃を受け墜落。内海は落下傘で脱出。
内海が命懸けの覚悟をしたとき、山田に懺悔するシーンが良い。まるで洋画の1シーンを観ているようなカッコよさ。
少し脱線するが、今回、ザラが撃墜され、ラハマに戻って樽ジョッキでビールを飲みつつ「プハー、生きてるー。生きてる実感を味わうには、やっぱ冷えたビールよねー」という台詞が良い。
本作は湿っぽくならないように、死の悲惨さ、死別により残された家族の悲しさは描かない。カラッとした作風。
しかし、この世界は死と隣り合わせ。今日という日を生き延びれるか?誰も分からない。
特に内海と山田はコトブキ飛行隊よりも操縦技術も劣り、より死に近い位置に居る。そんな刹那を感じる時もあるが、ヤケになる事も無く、無駄死にする事なく、危険な仕事の中を生きる。死が隣り合わせだから、生きるが輝く。
キリエの弱点
キリエは卓越した空間把握能力と操縦技術という美点は、逆に言えば機動が読まれやすい弱点。
いつもキリエに模擬戦で勝つケイトの台詞。ケイトがキリエの機動を見切れるのも、いつも一緒にコトブキ飛行隊で飛んでいる仲間だから、なおさらだろう。
空戦と単純に比較は出来ないが、これを格ゲーに置き換えるとこうか。必殺技のコマンドをたくさん覚え、よどみなく出せるだけでは最終的に勝ち残れない。その先に必要なのは、相手にどれだけ嫌がらせをさせ、相手をこちらの思い通りい誘導させ、そして相手の攻撃が届かないところで、相手に隙を作らせて、叩く。多分、ケイトはロジカルにこれが出来る。
キリエは蛇マークに何度も落とされているが、キリエのマニューバは常に読まれていたし、常にこうした戦術で見事にキリエをハメてきた。
キリエが真っ直ぐすぎるが故に、また条件反射で動き過ぎるが故に、生じる弱点。
ちなみに、飛行機を綺麗に飛ばすのはサブジーの「飛行機は勝手に飛びパイロットは寄り添うだけ」という思想にも寄り添っている点が興味深い。
この弱点は空戦だけじゃなくて、人生にも当てはまる。キリエの率直さは、可愛くて魅力だが、イジツの世界をしぶとく生き抜くためには、このままじゃ危なっかし過ぎる。
今回、キリエの弱点が提示されたので、この物語の中で弱点の克服が描かれる可能性が高い。すなわち、それは、蛇マークの撃墜。果たして成か?キリエが一皮むけるキッカケは何か?楽しみなテーマが提示された。
チカの女性的本能
私は2話のブログで、チカが「ガサツで頭の悪い女性」としか見えず印象が悪かった事を書いたが、ここのところ、私の中のチカの好感度が上がってる。
それは、チカがコトブキの中で一番男性に興味を持つという、女性特有の恋愛感情を感じさせるから。
- 過去にチト兄(チトニイ)とシタ?(下?)で暮らしてた
- 「海のウーミ」を教えてくれた人
- 「お話は心のごちそう」
- 本当の兄妹か?血縁関係が無いのか?は不明
- 「海のウーミ」が好き
- 物語を好む(逆にケイトのような学術に興味なし)
- イケメンを前にすると必ず赤面する
- アレンとケイトの兄妹の関係も「種の保存」という疑惑で考える
チカを突き詰めると、コトブキの中で、というか本作の中で、子供を産んで母親となり子育てする、すなわち「種の保存」を一番イメージさせる。
「海のウーミ」が好きという事、古代カンブリア時代に海中に王として君臨し絶滅したアノマロカリスが好きな事、それらも母親、種の保存を連想させるのも意図的な演出だろう。
この世界は死と隣り合わせであり、死の残酷さを強調しないために、死に別れ残された者の悲しさを描かないために、あえて「家族の絆」を描いていない、と考えている。アディ、ベティ、シンディは普通なら三つ子でいいところだが、血縁関係が無いという設定。これほどまでに、登場人物は他人なのである。
その中で、新しく家族を作り子孫を残すというベクトルを持つ登場人物は、チカ意外には描かれていない。
チトのプロファイリングには、シタ?で一緒に暮らしていたチト兄の掘り下げが必要だが、それはそのうち触れられるのだろう。
世界観
ナンコー油田と大手企業のスタンドン石油
今回の事件のおおよその流れは下記。
- ラハマにとってはナンコー油田は良質なガソリンを入手するための生命線
- ナンコー油田のポリシーは量より質(質を武器に資本主義を生き延びたい)
- 業界大手のスタンドン石油がナンコー油田の買取の交渉に来ていたが断られる
- その後、ナンコー油田で火災
- コトブキ飛行隊が消火作戦にかけつけると4機の黒い疾風が襲撃
- 鎮火に成功すると疾風は速やかに撤収
- 「海のウーミ」の話の例え
- 海に酒好きなカニが居て、酒の出る泉を持っていた
- 自分の泉で多く酒が出るように、他の泉に蓋をして廻った
- 最終的に自分の泉も酒が出なくなった
大手のスタンドン石油が世界の石油を独占しようとしているのは、おそらくそうだろう。
このイジツの世界に独占禁止法があるとは思えないので、力(=資本)があるものが世界を支配し、更に利益を追求してしまう。
もう少し言うと、模擬戦中にナツオが言っていた安価で質の悪いガソリンは、戦闘機の性能を低下させてしまう。戦闘機の性能は、そのままリニアに「力」となる。良質なガソリンを独り占めし、試乗には質の低いガソリンだけを流通させたとすると、自分の軍隊だけが強い力を持つことが出来る。
今のイジツの世界で軍隊を持つという事は、
- ユーハングの遺産である戦闘機は、より高性能の戦闘機を多く集める
- 燃料であるガソリンを独占する。
- ただ、ガソリンの流通を止める事は経済を止める事であり、それは出来ない
- 他者には質の悪いガソリンを流通させる事で、相対的に自軍を強くする
みたいな感じか。
ラストで元エリート興行の人事部長が、今回もコトブキにやられた、という電話。
4話のエリート興行以降のコトブキの活躍は、5話のアレシマ防衛と、7話のナンコー油田火災消火のみ。必然的にアレシマを襲った四式爆撃機と零戦五二型の黒幕は同一人物という事に。イサオが黒幕の可能性はゼロではないかもしれないが、アレシマをわざわざ爆撃させて自作自演するのも荒唐無稽である。その他の勢力で黒幕が居るのだと思う。
空戦
空戦シーンについて
今回の空戦シーンは下記の2つ。
- キリエとケイトの模擬戦闘
- ナンコウ油田火災消化作戦
模擬戦闘は、ケイトがオクタン価の低いガソリンを使ったハンデ戦だったが、二人の大局ではケイトが常勝である事が判明する台詞があった。キリエの弱点については、キャラクターの所で書いた。
今回の模擬戦でも、3話で出ていたケイトの背面宙返りが事も無げに繰り出されていた。
キリエ機が先行
- キリエ機が少しダイブしてから、上昇&スナップロールで、オーバーシュート、ケイト機の後ろを取る。
- ケイト機が90度ロールして水平方向にアウトサイドループ
- ケイト機が更に90度ロールして背面飛行
- ケイト機がアウトサイドループ気味に少し上昇し、ロール。キリエ機からはケイト機が死角に入り見失う
再びキリエ機が先行
- キリエ機がバレルロールでオーバーシュート
- ケイト機が360度のアウトサイドループ
- キリエ機はケイト機の位置が掴めず少し上昇
- ケイト機はキリエ機になかなか追いつけない模様
ナンコウ油田鎮火作戦では、彗星にキリエとケイトが同乗。キリエの正確な操縦技術で、消化用の爆弾を投下する。
今週の空戦も、いろいろ高密度だけど、書き切らないので詳細保留。元気有ったら書きます。
戦闘機について
だんだん設計年次が高い戦闘機が増えてきた。詳細は、公式HP参照。
- 四式戦闘機「疾風」
- ナンコーの火災鎮火の作戦を邪魔した
- アバンでアレンを襲ったのも同じヤツ?
- 装甲が「固い」
- 「ハー45」エンジンは約2,000馬力(隼一型は約1,000馬力)
空中戦闘機動(マニューバ)について
例によって、マニューバについての基礎的な情報は、下記を参照。
Twitterのつぶやき
#コトブキ 7話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年2月24日
ナンコウの油田火災消火回。
ユーハングが来た意味を知ろうと研究するアレン。消化を妨害し消化を見届けると即撤収した謎の黒い疾風。牧師の懺悔。チカのマークは海のウーミ。無表情で論理的で計算が正確で速いケイトと操縦が超正確なキリエの共同作戦のコンビの妙の気持ちよさ。良い。
#コトブキ 7話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年2月27日
ユーハング人(子孫含む)疑惑。
キリエ→黒髪、茶色瞳
イサオ→黒髪、亜麻色瞳
イサオの執事→サブジーの小屋に来た男?
ユーリア→黒髪、こげ茶色瞳?
フェルナンド内海→苗字?ユーハング人系?
アドルフォ山田→苗字?ユーハング系人?
#コトブキ 7話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年2月27日
ユーハング人が撤収して70+α年。ユーハング人とその子孫がイジツの世界で力を持っていてもおかしくないのかも。イメージとしてはフリーメーソン的なイメージで。などと妄想。