感想・考察
キャラクター
反イサオ同盟(ラハマ、ポロッカ、など)
ナオミが隊長で、補佐がナサリン飛行隊のアドルフォ山田とフェルナンド内海のバディの二人。アドルフォはナオミにいい所を見せたいのに、ナオミからは邪魔者扱いされて肩身が狭くなっているのが可笑しい。
こんな乱戦の状況でも「意外と強いよね、五式って」と強敵相手にギリギリの勝負を仕掛けて圧倒してゆくナオミはカッコいい。アドルフォは可哀そうすぎるのでナオミにカッコいい所見せられるシーンを1つでいいから期待。
ショウト自警団のカミラ。雑な感想になるが、カミラのモーションが可愛くて良い。マリリン・モンローのような過剰にセクシーな動きなのだが、ドジっ子属性が強烈なので色気が嫌味にならない。この手のオーバー気味なモーションは、どちらかというとディズニーとかピクサーとか米国の方が経験値が高く表現力が高い。そこに挑戦しようとしている気概を感じた。
ポロッカのゴドロー。頭の悪い豪傑として描かれていたが、今の時代じゃ生き抜けない、という象徴的なキャラだったように思う。人が良さそうなので嫌いになれない。
とにもかくにも、反イサオ側も、いろんなキャラがごった煮状態で存在してて、てんやわんわ感溢れる状況になっている。この闇鍋感が面白い。
レオナとザラ
天下分け目の大決戦の中、コトブキ飛行隊のメンバーのそれぞれの思惑が描かれていて興味深い展開だった。
レオナはかつての英雄であるイサオに停戦を申し込み、イサオの一瞬思わせぶりな返事を受け表情が明るくなるも、その直後に断られ、イサオの銃撃で撃墜。真っ直ぐ人を信じたいレオナと、それに無言で付いて行くザラの二人の関係が良い。イサオが撃ったのは隼だけでなく、レオナの心も打ち砕いた。12話でのレオナの行動が気になる。
チカとエンマ
エンマのスタンスは話合いが通じない相手がいるから殴り合いで会話するために戦う、というもの。今回のレオナのケースが該当してしまう。エンマ自身は両親が他人に裏切られ続けてそれでも良し、とする両親の生き方に反発する所もある。
チカは正々堂々スカッと戦えればそれで気分は良いのだが、今回の敵は数が多すぎた。
チカとエンマも善戦。チカは余りの敵の多さに辟易しながらも最後は撃墜される。脱出直前まで機銃のトリガーを引き乱れ撃ちで1機撃墜したのはド根性。エンマもチカと連携しながら敵機を撃墜し続け墜落せずに生還。
キリエ
キリエは出撃前に全くこの戦闘に乗り気じゃなかったが、レオナを撃墜したイサオに食って掛かり、サブジーを侮辱され、サブジーを撃墜したと告白され、一気に逆上した。しかし、空戦で圧倒的な実力差により、キリエはあっさり撃墜される。
イサオと執事のサブジーについての会話で、サブジーは彼らの協力依頼を断り続けて来た事、戦いが嫌いだったのだろう、という台詞があった。
ここからは私の妄想。
サブジーは戦争経験者で、もう人殺しはうんざりという心境で悟りを開いていたから、イサオと執事に対し撃ち返さなかったのだと思う。カッコ悪いけど逃げ続けた。対してキリエは本来争いを好まず自由に空を飛んでいたいという気持ちの持ち方なので、サブジーのポリシーとは近い。そのキリエが逆上しイサオに憎しみをぶつけた。疾風迅雷のキリエ。しかし、今のキリエをサブジーが見たら何と言うだろう。
自由を勝ち取るための戦いは必要だが、憎しみによる人殺しは要らない。サブジーは迅雷となったキリエを観て悲しむのではないか?その答えが12話であるかどうかは分からない。
もう一つ気になるのはナオミ視点のサブジー。クソじじいみたいな感じの台詞だったが、ナオミは大人なのでその辺は、もう少し真実を観ているのではなかろうか?
いずれにせよ、もともとそれが描けるほど尺があるとも思えない。だけど、キリエの怒りの気持ちの折り合いの付け方だけは物語の中で決着は付けたいところ、だと思う。
以上、私の妄想。
ケイト
最後に驚きだったのがケイト。アレンの仇を探してイサオに目を付けてて、それを確認するために戦ってて、そしてイサオの油断を突いて震電を撃墜した。
感情を表面に出さず無表情だが、アレンを思う気持ちは、7話で病院のアレンにユーハング酒や資料をお土産に持ってくる所で分かっていた。
9話でシブチクの図書館でチカが「海のウーミ 最後のお買い物」を手にしたとき、イケスカの地方出版本が一カ月も予約待ちのまま嘆く客が居たが、この辺りの書籍もケイトがアレンの仇を調べるために借りているのではないか?などと勘ぐっている。灰色の脳細胞を持つ名探偵ポワロの如く。
ケイトも復讐の念にからて行動しているが、イサオを殺せば満足するのか?そうでないのか? また、アレンはその事に何を思うのか?その辺りが気になる。
こうしてみると、コトブキ飛行隊も飛ぶ目的は千差万別で、みな自分の意志で自分の目的のために飛ぶ。本作の物語のテーマがあるなら、自己責任で自分の道を選べばよい、という事なのだが、サブジーの理念にありそうな、無駄な戦闘はしない、というのが乗っかてくるか?という辺りでは無いかと思う。
空戦
空戦について
とにかく、今回の空戦はオフコウ山も富嶽工場も、敵味方入り乱れて数百機という数の勝負となったが、ゴマ粒の如く小さく映る戦闘機たちの編隊飛行や、超鳥瞰で戦闘を写したり、多数対多数の合戦を観せつける。これもCGだから出来る部分はあるのだと思う。
震電のマニューバは見所満載だった。局地戦闘機として開発されているので、最高速度が750km/hと高速で、上昇能力も高い。
機首が軽いのでピッチの変更は得意で小回りが効きそうそうに見える。自動車で言えば、殆どのレシプロ戦闘機はFFだが、震電はRR。イサオはその特性を最大限生かしながら、ズーム&ダイブでひらりひらりと曲芸飛行を決める。これも天才パイロットのなせる操縦なのだろう。
驚きは震電を直立させてのコブラ機動。翼面全体をエアブレーキとして減速し、そのまま上昇するなどの曲芸飛行。ただ、素人考えだが、あまりこれをやり過ぎると機体の持つ運動エネルギーを損失しすぎて速度を蓄える事が出来ない。多分、それを補うのが、パワフルな、ハー43-42型のエンジン(1,850馬力)なのだろう。
戦闘機について
試作機レベルの変態な機体が登場。詳細は、公式HP参照。
空中戦闘機動(マニューバ)について
例によって、マニューバについての基礎的な情報は、下記を参照。
世界観
天下分け目の富嶽工場襲撃作戦
今回の空戦の舞台の配分は下記。なお、機数はざっくり。
- オフコウ山付近の空戦(陽動作戦)
- 富嶽工場奇襲(本作戦)
- 母船団警護
反イサオ同盟は、陽動作戦チームで100機(ナオミ、ナサリン、ショウトなど)、本作戦チームで100機(コトブキ飛行隊など)、飛行船団警護は残り(ラハマ自警団など)という感じ。
イサオの連合軍は、陽動作戦で200機。
これで連合軍全機と思いきや、ポロッカの助役が裏切りにより、偽情報に踊らされ、連合軍にまんまとハメられる。
本作戦の方にさらに200機。そこから、母船である飛行船団に襲撃。地表の山々に沿って窪地である工場に乗り込んできた絵ずらはインディアンの襲撃。その中にイサオの震電と執事のキ64も。
羽衣丸のルゥルゥは撤退を決め、陽動作成チーム、本作戦チームに撤収を命じるが、羽衣丸以外の飛行船4機は全て撃墜。残る戦闘機もわずか。大敗を喫する反イサオ同盟。
8年前のリノウチ大空戦とサブジー
サブジーがイサオに撃たれたのがいつか?考えていて、時系列を整理した。
- ラハマでサブジーとキリエと会う
- サブジーがラハマから出ていく
- リノウチ大空戦(8年前)
- どこかでナオミと会いナオミを弟子とする(8年前)
- ナオミの前から姿を消す
- 穴を調査中のアレンがイサオに撃墜される(1年以内)
- 赤とんぼでアレンとキリエが穴を調査中に紫電改に撃墜される(9話)
- ラハマ上空に穴が開く(10話)
- イケスカ上空に穴が開く
2のタイミングで、執事がサブジーに協力を求めて来て断られている。
3,4はともに8年前だが、どちらが先かは不明。
3のリノウチ大空戦は、何と何が戦っていたのか?その時のイサオの立場は?というのが分からない。この時も、穴が火種の中心だったのか?もしそうなら、技術供与を求められていたサブジーも関係していてもおかしくない。だとすると、2,3の間は非常に近いのかも知れない。
もしかしたら、ナオミはリノウチ大空戦のイサオを知っているのかも知れない。イサオ嫌いは昔からだったのかも。そういえば、ナオミとイサオは髪の毛の色と瞳の色が似ている。血の繋がりでもあるのか?
ナオミはサブジーが突然姿を消した、と言っていたので、その原因はイサオに撃墜され音信不通になった、という事だろう。生存していて欲しい気持ちもあるが、死亡している確率が高いと想像。せめて、遺品でサブジーの想いが残っていれば、ナオミもキリエも救われるのだが。
6で撃墜された時に、穴が塞がって70年という台詞があり、7でも同じく穴が塞がって70年という台詞があったので、アレンは撃墜されたのは、少なくとも1年以内の最近の出来事。
5,6の間がどれくらい空いているかは不明。
12話で触れられるかどうかは分からないが、8年前のリノウチ大空戦は、物語の鍵になっているような気がする。
12話課題&予想
イケスカ市上空に穴が開く。
まず、残存戦力。
飛行船は羽衣丸が1機だけ。
羽衣丸の残存戦闘機は、コトブキ飛行隊のレオナ機、エンマ機、ケイト機の隼一型3機。ラハマ町長の雷電。エリート興行の彗星1機と、隼三型2機。雷電や、彗星は、キリエ達が借用する事があるかも知れない。
Webに公開されているコトブキ通信第9号でウェイトレスのリリコが昔、屠龍に乗っていた事があるとか、ないとか言っていたので、この辺り羽衣丸に搭載されていれば、動員できるのかも。
反イサオ同盟の残存戦闘機という意味では、陽動作戦チームのナオミやナサリン飛行隊やショウト自警団などの個々の地方の戦力がどれだけ戻って来れるか。
イサオの連合軍の残存戦闘機は、今回の戦いで消耗してはいるだろうが、元々数が多いので半数減ったところで、まだまだ数はある、という状況なのだろう。
それと、爆撃機も多数持っていたし、富岳は少なくとも、最低1機は残っていたハズ。
あとは、イサオがまだ隠し玉もってそうな雰囲気があり、12話で橘花くらいが登場してもおかしくない。
残るドラマ。
いずれにせよ、この乱戦で、穴が開き、何と戦い、何を守るのか?
キリエは、サブジーの理念と意志を汲み取り、戦う意味に答えを出せるのか?
レオナは、信じる事で裏切られる経験に飲み込まれる事無く、生きられるのか?
ケイトは、アレンの復讐を成し遂げる事ができるのか?その向こうに何があるのか?
まだ、拘っているが、イサオは穴を何故欲しているのか?
イジツの世界の賭けた大博打。コトブキのメンバーの想いを乗せたドラマ。笑っても泣いてもあと一話。刮目して待つ。
Twitterのつぶやき
#コトブキ 11話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年3月24日
イサオの自由博愛連合vs反イサオ同盟の乱闘戦。
工場襲撃するもハメられ苦戦する反イサオ側。震電で暴れるイサオ。説得に失敗するレオナ。撃墜されるチカ。イサオにサブジーの話を聞き逆上し撃墜されるキリエ。イサオを仕留めるケイト。それぞれの思惑。舞台はイケスカ上空の穴へ。
#コトブキ 11話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年3月24日
コトブキ面々の色んなドラマ。
過去の英雄イサオに話合いを持ちかけるも拒絶され撃墜されるレオナの悲哀、黙ってレオナに寄り添うザラ。
話合いで通じない相手と殴り合いの空戦をするエンマ、撃墜されるも乱れ撃ちで一機撃墜するチカ。
狂気の戦場で冷静が通用しない局面。
#コトブキ 11話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年3月24日
戦い意味に問うていたキリエも、イサオにサブジーを侮辱され逆上し我を失いイサオに撃墜された。その直後、イサオの震電を撃墜するケイト。アレン撃墜がイサオか確かめるために戦っていた。
こちらは冷静さが狂気を倒す局面。多分、戦う意味なんて憎しみだけで十分という現実。
#コトブキ 11話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年3月24日
ではサブジーはイサオと執事に何について協力を求められていたのか?
穴と軍用機についての技術情報供与を求められたのだと思うが、では何故殺されるかもしれないのに断り続けたのか?プライドか?独裁への反抗か?
サブジーの真意を知り、それを守る事がキリエの戦う目的になるかも。
#コトブキ 11話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2019年3月28日
ナオミとイサオ。目の色、髪の色が似ている。血の繋がりでもあるのか? pic.twitter.com/lyKXttKFqt