感想・考察
ヴァイオレットとルクリアの友達関係
3話でのポイントは、初めてヴァイオレットが他人の気持ちを伝えたい!と思った所だと思う。その気持ちがルクリアの手紙の代筆させて兄に届けるという行為に至った。それは、ルクリアがヴァイオレットにとって特別な存在になったからだと思う。
今までヴァイオレットは他人の気持ちに無頓着だった。例えば、2話でエリカが自分も自動手記人形に不向きと呟いたとき、あなたの事は聞いていません、と切り捨てていた。
ルクリアは養成学校でヴァイオレットの隣に座り、時にヴァイオレットの能力に驚き、時に昼食の心配をしたり、ヴァイオレットの事を心配し気にかけていた。ローダンセ教官に厳しく言われて落ち込んでいる時に気分展開に鐘楼から見た黄昏に染まる風景の美しさに、ヴァイオレットはギルベルト少佐の言葉を連想し、ギルベルト少佐の感動を追体験し、感動していた。
ルクリアはヴァイオレットが卒業出来なかった事を気にして、教育課程が修了した翌日、ヴァイオレットの行動を予想して養成学校に表れ、ヴァイオレットの大切な人と思われるギルベルト少佐への手紙を代筆しようとした。とにかく、ヴァイオレットの事を気にかけていた。
ここまでヴァイオレットはルクリアから与えられてばかりだった。
そんなルクリアが突然、涙を流しながら兄に思いを伝えられない事を語りだした。その気持ちは何度も伝えようとして伝えられず、これからもずっと伝える事が出来ない思いだと言う。
この時にヴァイオレットの瞳のハイライトは揺れていて動揺している演出。ルクリアの気持ちを兄に伝えなければ、という気持ち。
多分、ヴァイオレットにとってルクリアは初めての友達と呼べる存在だったのだと思う。
何度書いてもダメ出しされ自身を喪失していた代筆だが、ルクリアのために代筆し兄に手紙を届けるという行為に至ったのは、ルクリアを友達と思い、友達の涙を何とかしたい、という衝動だったのだと思う。
ルクリアの涙は、思いがけず、ヴァイオレットの自動手記人形の第一歩への背中を後押しした。
結果、ヴァイオレットの代筆した手紙により、ルクリアの気持ちは兄に届けられた。ルクリアからも感謝され、ルクリアにお返しする事が出来た。ヴァイオレットは兵士の様な立ち居振る舞いの少女から、とても素敵な女の子の友達に格上げ認定された。
「任務…、いえ、課題です。いえ、手紙です」
この「課題」という台詞が気になっている。この課題自体は「伝えたい本当の人の心をすくい上げる」だと思う。
自動手記養成学校に通う事になる目的も、「愛している」を知るための勉強のためだったと思うが、ローダンセ教官に「手紙とは言えない」という指摘を受けて、自分には人の心が分からないのではないか、と落ち込む。
こうしたシーンでヴァイオレットは涙を流す事も悔しさを爆発させる事も無い。しかし、淡々した中にもちょっとした表情や声色でヒシヒシと悔しさを噛みしめているのが分かる演出が良い。
良きドールとなるための「伝えたい本当の人の心をすくいあげる」事が全くつかめない焦り。
「課題」とはそれを掴むことを自らに課していた、という事だろうか?
もう一つの「課題」の解釈は、ローダンセ教官からヴァイオレットが上記を「課題」として明確に受けていたという仮説。
この仮説なら、ヴァイオレットが一人で学校に出向いて来た事、ルクリアもヴァイオレットを心配して学校に来た事、ルクリアがヴァイオレットのギルベルト少佐への気持ちを手紙に起こそうとした事も説明が付くと思う。
ただ、ヴァイオレットは台詞の流れからホッジンズに卒業出来なかった事について「それでは何のために学校に通ったのでしょうか」「人が話している言葉の中から伝えたい心をすくい上げられないのではドールの意味がありません」とキッパリ言っており、卒卒業課題があるような事は微塵もにおわせてはいない。やはり自らの「課題」としていたのではないだろうか、と思う。
ルクリア・モールバラ
ルクリアは明るくて努力家で面倒見が良くて優しい。
純粋で不器用なヴァイオレットを心配し、ケアしていた。
ルクリアの問題は、兄との向き合い方だった。兄は戦争から生還したが足を負傷し松葉杖をつき、仕事も持たずに、酒におぼれた毎日を送っていた。兄の心には両親を失ったという自責の念、負傷により仕事をするにもハンデがある事、そうしたストレスから酒への依存から抜け出せなくなったのだろう。兄は心の扉を閉じてしまった。
そんなダメな兄でも、世界でたった一人の家族。兄に心配だからお酒を止めて、前向きに生きて、と声をかけても、うるせー、で返されるような毎日を送っていたのではないか?と想像する。酒場から出てきたところで松葉杖を滑らせて転んだ際に見せた、畜生の表情を見て、委縮してしまい手を差し伸べられなかったルクリアの演出が印象的でそう連想させる。
そんな兄の心の扉を開こうとしても、何度も失敗し諦めた。天国の両親にも報告できず、自分一人でこの問題を背負い込んだ。
収入を得るために自動手記人形養成学校に通い、そこで出会った不思議な雰囲気を持つヴァイオレットのおかげで、兄に伝えたい思いが伝わり、妹に向き合う兄に変わり、本当の意味での兄妹の交流が再開した。手紙が書けないと言われていたヴァイオレットの代筆した手紙が不可能と信じていた思いを伝えた奇跡。
ヴァイオレットの最初の友達は、ヴァイオレットから奇跡を与えられた。
ローダンセ教官
厳しいが、良きドールを育てる事を喜びとしている教官は、ヴァイオレットの事を特に気にしていた。
ヴァイオレットは、知識、タイピング技術は抜群なのに、良きドールとしての一番重要な心を伝える事が出来ていない。いわゆる出来の悪い子。
ルクリアがヴァイオレットの事を友達として見ていたのと同様に、教官もヴァイオレットの事を一人の生徒としてだけでなく、人間として見守っていたのだと思う。
ルクリアの手紙の件で最後に卒業の証のブローチを付けるシーンの誇らしい顔が、ヴァイオレットの第一歩を力強く祝福していた。
なかなかに良きキャラ。
Twitterのつぶやき
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月24日
身近であるが故に伝えられない想い。それを乗り越えて思いを伝えた手紙。
対話するルクリアから発せられる正直な言葉をそのまま手紙に書き身近である相手に伝わった。
ヴァイオレットのまだ分かっていない感じが印象的な第一歩。#VioletEvergarden
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月24日
ゲストキャラのモノローグで始まり、終わるという形式。
この物語はヴァイオレットに触れる周囲の人々がヴァイオレットから影響を受け、ヴァイオレットを語る物語。
ヴァイオレットは、いつかこうした全てを理解する日がくるのか。#VioletEvergarden
ヴァイオレット・エヴァ-ガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月24日
タイプライターがドール毎に全てデザインが異なる件。出演するドールの数だけデザインがある
とするとデザインする方も大変。アイリスのは赤色だったりキャラ個性反映しているの地味にすごい。#VioletEvergarden
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月25日
ルクリアのおかげでギルベルト少佐の思いを追体験したヴァイオレット。
ギルベルト少佐が「ライデンの海を見せたい」と言ったのは、戦友を多く失った喪失感の黄昏の海から、同じく昔よく見た美しいライデンの黄昏の海を連想したと想像。#VioletEvergarden pic.twitter.com/2TYozVxANe
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月25日
人生を踏み外し酒に逃げ八つ当たりする兄と、委縮して手を差し伸べらえれない妹のルクリア。
普通の4人家族から転落。たった二人の肉親なのに、酒止めて、うるせーなどの、楽しい話一つもない毎日を想像。#VioletEvergarden pic.twitter.com/JrNOgd1Gba
いくつか解釈の違いはあるけど、いろんな人が深読みしているのを見るのは嬉しい。義手で手袋外すのは納得。ルクリアの兄妹の関係はちょっと理解が違っていて、ルクリアから兄に何を言っても逆切れして酒浸りから立ち直らせられなず、どうして良いか分からなくなっていたのだと思う。>RT
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月28日
人が泣くのは自分ではどうしようも出来ないときに涙があふれる。ルクリアがあんなに泣いたのが凄く印象的。
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月28日
ヴァイオレットが少佐に何も伝えられない、愛しているを知りたい、という事を知りヴァイオレットに何か共感してしまい思いがあふれ出した。
ルクリアのキャラ作りの丁寧さに唸る。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月28日
自動手記人形養成学校の卒業の証のブローチ。
上半分の部分は、タイプライターの丸いキートップが一本の線に連なっているのが面白い。
下半分は何か植物の葉っぱ?。葉っぱの意味は不明。#VioletEvergarden pic.twitter.com/VncvJijjsW
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月28日
卒業できなったヴァイオレットの事を想うルクリア。
その後、ヴァイオレットが来ているかも知れない学校に出かけるが、その際、兄の毛布を直している。こうしたカットに自然にキャラの性格がにじみ出てきているの良い。#VioletEvergarden pic.twitter.com/XAjmUKzhf1
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
ライデンの鐘楼から見る夕焼け。
教官に「手紙とは言えません」と言われ落ち込むヴァイオレッをルクリアが連れてきた。
子供の頃、兄がルクリアの手を引き上がった。
手紙の後、ルクリアが兄の手を引き上がった。
ライデンの最高の景色。#VioletEvergarden pic.twitter.com/1qcYyzbCqO
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
教育課程修了の日、卒業出来なかったヴァイオレットを気にするルクリア。
そして、そのあとで一瞬、ヴァイオレットの方を見ているローダンセ教官のカットが入る。教官もまた、ヴァイオレットの事をきにかけている事が分かるシーン。#VioletEvergarden pic.twitter.com/p6n8wn5v0U
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
「あなたが良きドールになりますように」
ルクリアがローダンセ教官にヴァイオレットの手紙の事を連絡し、ローダンセ教官からヴァイオレットが卒業の証のブローチを受け取るシーン。
教官の粋な計らい。#VioletEvergarden pic.twitter.com/01rn4FC6bQ
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
「任務…、いえ、課題です。いえ、手紙です。ルクリアからあなた宛ての」
ここの「課題」という言葉に引っかかっている。
学校は終了したが、ヴァイオレット自身は「伝えたい本当の人の心をすくい上げる」事を自らの課題と課していたのか?#VioletEvergarden pic.twitter.com/kAGgnOwTJN
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
自動手記人形養成学校のクラスメイト12名。
この内、9名卒業、ヴァイオレット含む3名は卒業出来ず。#VioletEvergarden pic.twitter.com/DXElFTXoMv
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
クラスメイトの中で名前のあるモブ役2名。
左がブルーベル・ユノア
右がイベリス・コノウエ#VioletEvergarden pic.twitter.com/2UIJ8ju4Kr
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
「ルクリア、手紙を書きましょう。あなたの伝えたい気持ちを手紙にしましょう」
伝わらない気持ちを伝えるのが「手紙」だと理屈では理解しているが書けた試しがない。
今度は、ヴァイオレットは逃げずルクリアの伝えたい心をすくいあげた。#VioletEvergarden pic.twitter.com/l8RG8r2B51
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
ヴァイオレットが手紙を書いたのは自らの課題でもあったが、何よりもルクリアのための代筆だったと思う。
初めて見せた他人のために気持ちを伝えたいと願う気持ち。ルクリアという最初の友達。ヴァイオレットの変化。#VioletEvergarden pic.twitter.com/RkirotXJzg
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 3話
— 伊藤つくし (@itoutsukushi) 2018年1月29日
やっぱり、卒業の証のブローチの下半分は羽ペンなんじゃないか?と思ったり。#VioletEvergarden pic.twitter.com/eKnjyyjlSY