たいやき姫のひとり旅

アニメ感想など…

OBSOLETE シーズン1(EP1-EP6)

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はじめに

リアルロボアニメの進化系、「OBSOLETE」が非常に硬派でカッコいい。しかし、本作について語るブログは極めて少ない。

本作には、萌えも癒しも一切ない。あるのは人型兵器の設定の巧さ、戦闘シーンのカッコ良さ、ハードボイルドな渋い男の生き様、理不尽な戦争の後味の悪さ、である。

そうした事を熱く語りたい気持ちで、長文の感想・考察を書いた。

現在、シーズン1(EP1-EP6)が無料視聴可能なので、ロボアニメ好きには是非観ていただきたい。

作品概要

2019年12月、OBSOLETEシーズン1(EP1~EP6)がYouTube Originals(YouTubeオリジナル作品)として公開され、現在無料視聴可能である。

再生時間はEP1のみ13分07秒、EP2-EP6は12分27秒、合計再生時間は約1時間15分。

超ザックリで紹介すると、2.5mの人型兵器の戦闘を見せるミリタリー物のフル3DCGアニメ作品である。この一言で少しでも興味が持てる未視聴の方は、是非ともEP1だけでも観ていただきたい。

なお、本作の公式HPには、映像だけでは分かりにくい世界観や設定について詳細な記載があり、本ブログを書く上でもかなり参考にしている。興味ある方はこちらも参照していただきたい。

考察・感想

設定・テーマ

人型兵器を正当化するために考えられた、設定と世界観

おそらく本作は、『人間が搭乗するミニマルな二足歩行ロボどうしでのリアルな戦闘を描きたい』のではないかと思う。そのための一つの大きなフィクションがエグゾフレームである。

エグゾフレームは全高約2.5m、重量約270kgの人型メカである。異星人の未知の技術の産物であり、動力源不明、燃料不要、操縦者の意志に応じて人間並みの機敏さと、ユンボ並みの馬鹿力を持つ。そして、規格化された工業製品のように同じスペックのものが安価で大量に供給される。

このエグゾフレームを骨格として搭乗空間を鉄板で囲い武装すれば、敵味方も対等な人型兵器どうしの戦闘を描くシチュエーションが作れる。

エグゾフレームという力は、大人も子供も先進国も後進国もみな平等に与えられる。安価なエグゾフレームと安価なゲリラの人命を大量に投入して、400万ドルの戦車に勝つ。高価な兵器を安価な対抗兵器が無効化するのは歴史の必然である。しかも、エグゾフレームはそれだけに留まらず、熟練度により特殊な任務もこなせる無限のパフォーマンスを秘めている。

エグゾフレームという低コストで高性能な規格品が市場に大量に出回ったとして、単純に世界の勢力図がひっくり返るか?というと、おそらくそうではない。経済豊かな先進国も大量に商品を買いあさり、それを資本に金儲けするのが市場経済であり、いつでもお金持ちが勝ち続けやすいのが資本主義の世の常である。

しかし、本作の世界はそうならない設定がなされている。それが、もう一つのフィクションであるザンクトガレン協定である。

先進国は重機、自動車などの自国の産業を脅かすエグゾフレームに対し、異星人の洗脳装置などと不安をあおり、エグゾフレームを管理、規制、制限した。ザンクトガレン協定の調印を保留したアフリカ連合国や、協定を脱退したインドでエグゾフレームを兵器として活用し始めるが、先進国はエグゾフレームを兵器転用できず相対的に軍事力が低下し、後進国とのパワーバランスの崩れを見せ始める。

言ってみれば、ゲリラと大国軍が平等に戦闘出来るように、大国側にハンデキャップが与えられた形である。

エグゾフレーム革命という世界の変革を生きる男たちのドラマ

エグゾフレームは革命であり、世界に変革をもたらし、パラダイムシフトを起こす。昨日までの価値が通用せず新しい価値で経済も政治も対応しなければ、あっという間に転落してしまう。

勿論、変革を頑なに拒否し既得権益を守ろうとする者もいる。その象徴がザンクトガレン協定である。しかし現実は、協定に賛同しない後進国によるエグゾフレーム活用により、軍事力の面で優位に立っていた先進国に脅威を与える存在になりつつある。

この文脈の中で、後進国を支援するアウトキャストと呼ばれる傭兵部隊が存在する。その主要人物と思われるのがザーヒルである。

ザーヒルは、異星人とのファーストコンタクトからわずか7年でエグゾフレームの精鋭部隊を育て上げている。兵士は、ゲリラ側でエグゾフレームの捨て駒の乗り手として拾われてきた子供たちを、戦士として鍛え、尊厳を与え、忠誠を誓わせて叩き上げた。それは、誰かがザーヒルに教えた生き方であり、ザーヒルの教え子たちも同様に戦士を集めるネズミ講の構図となる。ザーヒルは戦う目的を明確に「世界の理不尽に屈しない」と説いている。EP1で描かれたように、アウトキャストはかなりの数の武装エグゾフレームと練度の高い兵士を持つに至り、先進国側の脅威として描かれる。

そして、アウトキャストなどの武装エグゾフレームの脅威に対抗すべく、米国海兵隊に極秘裏に作られたエグゾフレーム部隊が存在する。ただし、ザンクトガレン協定の建前上、この部隊の存在が公表されることはない。小隊名はレイブン(Raven:カラス)。リーダーはボウマン大尉である。

ボウマンはEP2でアフリカで米国海兵隊が初めてエグゾフレームのゲリラに襲われ壊滅した際の生き残りである。当初、現地住民がトラクター代わりにエグゾフレームを使う事を懐疑的に見ていたが、この事件で洗礼を受けエグゾフレームの力、時代の変革を認めざるおえなくなった。EP1でレイブンは、エクアドル・ペルー間の紛争が戦争に発展するのを阻止すべく、敵武装勢力とたった4機のエグゾフレームで誰にも知られる事なく戦う。ボウマンはこの作戦で、「世界の混沌が必然だとしても、それに抗い、自らの誇りの為に命を懸ける(意訳)」というモノローグがある。ボウマンは軍人であり、思想家ではない。ただ、世界中で起きる無慈悲な戦闘を知る者として、その様な紛争、戦争は回避したい気持ちだろう。

物語としては、このボウマンとザーヒルの対立の構図である。そして、時代は激動の変革の時であり、固定観念に流されず、新しい価値観の中で、己を信じて成すべきことをする。ハードボイルドな男たちのドラマである。

彼らは例えるなら、明治維新の侍なのかもしれない。倒幕か?佐幕か?何が正解か分からないし、正解なんてものは無いのかもしれない。今は、悔いが残らない様に、持てる力の全力を尽くして運命を切り開きたい。そこはかとなく感じる虚淵玄っぽさ。そんな印象を本作から受ける。

なお、シーズン1の時系列最後にあたるEP1は2022年だが、物語の序章にしか過ぎず、続きはシーズン2(2020年冬配信予定)までのお楽しみ、となっている。

非情な戦場描写と戦争倫理

本作が描くモノで忘れてはいけないのが、戦争の非情さ、だと思う。

決して派手なドンパチのアクションで気分をアゲてゆくだけの映像ではない。

EP5-EP6では、アフリカ内戦のゲリラは、適当に拾ってきた黒人の子供たちを、使い捨ての駒として、強制的にエグゾフレームに搭乗させていた。本人たちの意志とは無関係に戦場に連れてこられ犬死してゆく素人の子供たち。ザーヒルは、その子供たちを鍛え、戦士としての尊厳を持たせ、忠誠を誓わせる事で優秀な兵士を育て上げたが、その兵士たちがねずみ講の様に兵士を作るアウトキャストという組織。

EP4では、石油ターミナルを自爆で破壊するためにゲリラたちが海から上陸するのを丘の塹壕から狙い撃ちし、まるで「プライベート・ライアン」のノルマンディー上陸作戦のように無数に死んでゆくゲリラ兵たち。ゲリラ兵が施設爆破し守り切れなかった瞬間に、ビジネスに失敗したとして、残された民間人を見殺しにして撤退する民間軍事会社民間軍事会社のCM映像で使われている派手な戦闘映像の裏で多数殉職している傭兵たち。

本作では、血しぶきや飛び散る肉片や死体が描かれることはないが、確実にその戦闘で死傷者が出ており、しかも前述の通り、非戦闘要員や、素人同然のゲリラ達が多数犠牲になっている事を視聴者に突き付ける。おそらく、こうした狂気は昔から絶え間なく人類が続けて来た歴史なのだろう。

本作が戦争をテーマに掲げている以上、また戦争による理不尽に立ち向かう以上、こうした描写は避けて通れない。戦争は無くなった方が良いが、戦争を簡単に無くす事は出来ない。その普遍のテーゼを持ったエンターテインメント作品になっていると思う。

各話考察

EP1. OUTCAST (2022年、南米のどこか)

  • 輸送機内に格納される二足歩行兵器4機が戦場に投下され、ホバークラフトアタッチメントで河川を高速移動し、敵の二足歩行兵器と近接戦闘、銃撃戦の後、山頂からの迫撃砲攻撃を受ける。陽動の2機とは別に対迫撃砲レーザーを受け取った2機が援護を開始し、レーザーで迫撃砲弾を撃ち落とし、山頂の敵をレーザーで1機撃破するも、敵の狙撃を受け対迫撃砲レーダーを破損、そうこうしているうちに、敵部隊に撤退され逃げられるという息も付かない怒涛の展開でEP1は終わる。

EP1は、本作で一番やりたかった映像と思われる、ド派手なコンバットアクションに終始する。キャラや世界観の説明は最小限。ツカミの1話である。

敵はアウトキャストと呼ばれる後進国支援側のエグゾフレーム傭兵集団。練度も高く数も多い。全機体の右腕に描かれる2本の傷跡を持つ横顔ドクロのマーキングはザーヒルの使っていたマーク。頭頂部にドクロマークが描かれたリーダー機は、狙撃を得意としていた事からザーヒル本人が搭乗していた可能性を伺わせる。

対する、米国海兵隊の非公式のエグゾフレーム部隊(レイブン)はたった4機で敵の作戦を阻止しようとする。寡黙なリーダーのボウマン、熱血漢のミヤジマ、女性にモテそうなレブナー、陽気な新入りのフェルナンド。少人数だが、米国海兵隊の高価で強力な装備で戦いを挑む。

ちなみに、ミヤジマはEP3でインド軍に、レブナーはEP4で中東でサーベラス警備保障に、エグゾフレームでの戦闘を体験、調査するために身分を隠して潜入している。また、ボウマンは7年前にアフリカで世界で初めてゲリラがエグゾフレームを使った作戦での生き残りである。この3人は、過去に横顔ドクロマークのエグゾフレームを相手に戦った因縁がある。

おそらく、アウトキャスト側も今回の戦闘で、米軍のエグゾフレーム部隊の存在を明確に認知したと思われる。EP1は、さしずめ名刺交換といったところだろう。

ちなみに、米国海兵隊の機体はトードは、M1エイブラムスを連想させるデザインと色で米軍っぽさを演出。対する、アウトキャストの機体はエグザクトーは、頭部の野暮ったさが肝で、敵メカのデザインとしていい味を出している。素体は同じでもテイストの違いが明確に出ていて面白い。

  • 今回の登場兵器
    • C-130 (航空機)) …輸送機
    • レーザー兵器輸送用の無人コンテナ輸送ヘリは、オリジナル?

EP2. BOWMAN (2015年、アフリカ・アンゴラ共和国

  • 異星人ペドラーとの通商開始。
  • ゲリラは酸素ボンベを腰に巻き、エグゾフレームの腰に爆弾を2個抱えて、河川に潜伏して渡河中の戦車隊に接近し奇襲した。驚いて畑の中を高速で後退する4両の戦車。走って追いかけ戦車に飛び乗り戦車を爆破するエグゾフレーム。400万ドルの戦車が、安価な素体のエグゾフレームの集団に破壊される。

ペドラーとの通商開始から1年後、エグゾフレームがゲリラに兵器として始めて使われた日。戦争は経済活動というグラサン小隊長の台詞があった。支出の軍事費と収入の税金、国家間の利権の奪い合いは、巨大なコストを前提にして経済を回す、というニュアンスだった。資本を持つ者が勝ち続ける資本主義の社会である。しかし、エグゾフレームという安価な兵器が、高価な戦車を駆逐してしまう。これは、今までの国家間の軍事力のパワーバランス、ひいては資本主義の勢力図が崩れる事を意味する。

EP1の7年前、ボウマンのこの体験が、エグゾフレームという力に世界が飲み込まれ、その中で対等に戦うために、好き嫌いに関わらずエグゾフレームを使わなければならない事を悟るキッカケになったのだと思う。

EP3. MIYAJIMA REI (2016年、インド・パキスタン国境シアチェン氷河)

  • 正規軍として世界で初めてエグゾフレームを正式採用したインド軍に交換将校として短期赴任してきたミヤジマ。シアチェン氷河をエグゾフレームで越境し工作員潜入を図るパキスタン軍を発見し、エクストリームスキーで豪快に氷河を下り追跡する。パキスタン軍の3機のエグゾフレームを食い止めるも、雪崩に呑まれた最後の1機のコクピットはもぬけの殻だった。ワンチョク大尉は、ミヤジマが自衛官ではない事、事件は上層部の圧力でうやむやになった事で察し、部下に詮索はするなと告げる。

ミヤジマの怖いもの知らずというか、負けず嫌いというか、熱血漢というか、一度走り出したら止まらない性格がよく出ていた。初体験でエグゾフレームをあれほど乗りこなせるとは思えないので、米国海兵隊でも相当にエグゾフレームに乗って訓練していたものと思われる。雪山の尾根伝いの行軍でも、ワンチョクの部下がへっぴり腰だったのに、ミヤジマは度胸満点で、慣れたワンチョク並みにしっかりした足取りだった。

今回、部隊が極寒の山岳地帯という事で、エグゾフレームはインド軍もパキスタン側も軽装備だった。足裏にはスパイク的な加工をしていたが、脚部や腕部はむき出していた。寒さと銃弾から乗員を守り、通信が出来て、機銃が撃てるラインで仕上げていた。エグゾフレームが極寒の低温環境でも何の問題もなく動作するハードとしての優秀さが際立っていた。流石に宇宙空間でも使えそうな雰囲気だけある。

今回の見せ場はエグゾフレームスキー。これは機体から伝わるスキーの感覚情報をもとに脳で瞬時に判断し機体制御に高速でフィードバックし続けなければ成立しない。スポーツ選手が競技で行う事を、エグゾフレームという身体を使って行う。

余談だが、これを応用発展させれば、陸上、水泳、球技など、様々な競技をエグゾで行える可能性があり、エグゾオリンピックの開催があってもよいな、などと妄想してしまった。もし、エグゾフレームがどれも同じ規格品であるなら、個体差が無いワンメイクレースになるのではないか? 実際にはザンクトガレン協定でエグゾオリンピックが開催されることは無いと思うが。また、五輪書宮本武蔵の様に武道を極め剣豪だったり、コンパクトな動作で気功を発する中国拳法だったり、そうした事も鍛錬した精神と、エグゾフレームの身体で出来たら面白いかも、などと妄想。

EP4. LOEWNER (2017年、中東)

  • 中途の石油ターミナルをテロリストから守る仕事を請負う民間傭兵会社のサーベラス警備保障の新人として潜入するレブナー。施設を無傷で守る契約だったが、テロリストの侵入を許し施設を爆破される。ビジネスの失敗とともに契約破棄を察したサーベラスの部隊は、民間人を置き去りに撤収する。

レブナーの優しさというか、悪く言えばお人好し感が滲み出ていた。契約とマネーで動く民間企業と、民間人を守る倫理感で動く軍人の狭間で葛藤するレブナーが良い。現地民間人女性と雑談していたが、あのルックスと人当たりの良さでモテないわけはない。

サーベラス社のエグゾフレームはホバークラフトアタッチメントと対潜迫撃砲を装備。水中から迫る爆弾を抱えたテロリストのエグゾフレームを水上から駆逐する。ホバークラフトの動力が膝車輪の回転という点が面白い。また、丘の上の塹壕からは、M61バルカン砲で上陸したエグゾフレームを水際で仕留める。火力は圧倒的に強いが、たった8機で守るサーベラス社に対し、数で攻めるテロリストの戦術の恐怖。ヘリで吊るされ帰投するシーンは隊長の1号機とレブナーの8号機の2機のみだったが、前後のシーンの繋がりから考えるに、もう少し撤収できた機体多そうなのだが、隊長とレブナーがサシで会話するための演出的な話か。

EP5. SOLDIER BRAT (2016年、アフリカ・サブサハラ

EP6. JAMAL (2016年、アフリカ・サブサハラ

  • 内戦続くアフリカ。ゲリラ側のエグゾフレーム搭乗員として、子供たちがどこからか拾われ使い捨ての駒として強制的に戦わされ、素人同然の戦闘で命を落とす。その理不尽な戦いの中で司令官がザーヒルに変わり、ジャマル達は生き残るために戦士として戦闘訓練され、尊厳を与えられ、戦果を上げて生き残る。内戦終結後、ジャマル達は一民間人に戻る事よりも、アウトキャストの兵士の道を選ぶ。5年後、ジャマル達はザーヒルと同様に、自分たちのように理不尽にゲリラ側で戦わせられる子供たちを戦士として鍛える。カリスマは継承され、ねずみ講の様にアウトキャストの兵士が作られて行く。

EP5-6は、ザーヒルアウトキャスト側の兵隊作りを描く。

戦争の被害者である子供たちが、戦場に赴き、自分達の明日を掴むために戦闘するという負の連鎖。しかし、理不尽に何らかの声を上げ行動しなければ現状を変えられないという状況。歴史から戦争、紛争は絶えることなく続く。何が良くて、何が悪いのか、簡単には片付けられない戦争という深い命題を本作は抱えていると思う。

今回、ゲリラ側の子供たちが使うエグゾフレームは装甲と呼べるガードは殆どない。戦車の火力を前にして、無力に逃げ惑うしかなかった。しかし、ザーヒルが戦闘訓練をした後は、軽装である事を生かし、野猿の如く俊敏で軽快な動作でビル間をジャンプし、連携プレイで罠を仕掛けて追い込む事で、戦車やヘリを難なく仕留めるまでに成長した。エグゾフレームのポテンシャルの高さを示すエピソードだと思う。

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EP5で注目なのは、ザーヒルが遠隔操でドローンを狙撃したシーンである。エグゾフレームから降りて双眼鏡でドローンを確認し、狙撃銃を構えるポーズをし始めたときに、背後のエグゾフレームが狙撃銃を構えて、引金を引きドローンを撃ち落とす。公式HPにもハンドルも握らずサドルにも触れずに、遠隔操作が可能な事が触れられている。ただ、この一連の動作の中で不可解なのは、どうやって、エグゾフレームの狙撃銃の照準を合わせたのか?である。

  • (a) ザーヒルとエグゾフレームの位置、方角の差異を経験則で考慮して勘で撃った。
  • (b) 狙撃銃の照準情報がザーヒルに遠隔でフィードバックされて照準を合わせた。

私は、EP3のミヤジマのエクストリームスキーのシーンや、EP6の野猿移動のシーンから、エグゾフレームの感覚が機体から搭乗者へのフィードバックがされている可能性は高いと想像して、それ無しでは、曲芸、曲乗りは不可能だと思っている。しかし、狙撃銃の照準は地球の技術であり、2016年時点の技術ではゴーグルも無しで視覚情報を遠隔にフィードバックする事は不可能である。ここからは妄想だが、地球の狙撃銃の照準をエグゾフレームがなんらかの感覚情報として読み取り、その視覚情報を搭乗者の神経、脳みそにフィードバックしている可能性も考えられるのではないか?そのためには五感を越えた第六感の繋がりが必要になるのかもしれない。この辺りの、エグゾフレームの遠隔操作、フィードバックによる共感覚は、今後の謎解きのネタなのかもしれないし、妄想し過ぎなのかもしれない。

おわりに

2020年12月配信予定のシーズン2(EP7-EP12)のティザーPVが公開されている。

シーズン2では、アフリカ・アンゴラ共和国大統領のライラ・レシャップが世界の先進国と対立を仕掛ける構図と、アウトキャストのエグゾフレーム戦争の陰の暗躍がPVから予想され、いよいよ、先進国vs後進国、ボウマンvsザーヒルの戦いの物語が回り始めると思われる。

また、エグゾフレームの謎設定の解き明かしも、少なからず触れられてゆくのだろう。

シーズン1は、各EPのドラマはコンパクトにまとめられていたが、物語は意図的に薄味になっていた。材料は揃い、いよいよ物語は序章から本章に、という所で、半年後の冬が楽しみで仕方ない。